ケボ(ギニアビサウ)からボケ(ギニア)へ ~故障、悪路、地獄の国境越え編~
ジャンボ!
東アフリカはタンザニア、キリマンジャロのふもとまでやってきました。
半年ぶりの自転車旅としてはなかなかハードな行程でした。
曇り続きでまだキリマンジャロの「キ」の字も見えてませんが。
駄菓子菓ー子!!
ここから次の町までさらにガンガン標高を上げていくことに・・。
標高を上げきった先のご褒美はアフリカで一番楽しみにしてるアレ!!
いやー楽しみだ!あぁ楽しみだ!楽しみだ! (字足らず)
そーんなわけでブログ本編は3ヶ月前の6月ごろ。
西アフリカバイク旅の2ヵ国目ギニアビサウのオハナシをどぞー。

ギニアビサウでもバイクの調子は最悪。
いろいろ故障個所はあるけど、一番の問題はエンジン冷却水の水漏れ問題。
隣国ギニアへの国境越えの前に修理しようと立ち寄ったバイクメカニックでは3日間かけても直らず。
それどころかむしろ水漏れ防止の一番大事な部品を壊されてしまう事態に・・・
ギニアの首都コナクリまで行けば腕のいいメカニックもいるばず。
気合いで国境越えに突入だー!!

国境越えの起点になる町はケボ(QUEBO)。
目指すギニア側の町はボケ(BOQUE)。
なんだかウソみたいな名前のルートですがまぁ悪名高い未舗装ルート。
雨季に入りかけちゃった今、道がぐちゃぐちゃになる前に駆け抜けなくては。
ルート的にはこんな感じで、ダートの距離でいうと150㎞ほど。
情報収集した感じでは100km先のダビスという町までたどり着くことができればあとは楽勝とのこと。
しかし人によってはそのバイク(スクーター)では不可能だという人が多い。
いったいどんな道が待ち受けていることやら・・・
ってか、国境を越えてギニアに入ったとこに川が見えるんやけど、拡大してみても橋が見当たらんのよねぇ・・・

10kmも行かん内にシングルトラックに。
場所によっては岩がゴロゴロ。
平均台のようにトラックだけ高くなってるとこもあって瞬きもできない緊張の時間が続く。
走り出したときからエンジン冷却水が漏れ始めていて、30分ほどで水温がレッドゾーンに!
蒸気を吹き出すラジエター。グツグツと沸騰する音が聞こえてくる。
これ以上走っちゃうとエンジン温度が上がり過ぎて致命的な故障になってしまう。あわてて水を補給する。
しかし水漏れの修理は肝心のメカニカルシールという部品が大破したので間に合わせで塞いでいるだけの状態。
それが折からの悪路の振動で、あっという間に無意味な状態に・・。
水を補充しても、走り始めて水が抜け落ちレッドゾーンになるまで15分、10分とどんどん短くなっていく。
4リットルあった水も一瞬でなくなり、ジャングルの真っただ中で身動きが取れなくなってしまった・・・。
周りを見渡してもただただ深いジャングル。
人もバイクも通る気配は全くなく、にぎやかな鳥の鳴き声だけが響く。
蒸し暑さとだらだら汗が流れ、焦りだけが募っていく。

こうなるとバイクを置いて水をもらいに集落を探すしかない。
20分歩くと、3軒ほどの集落にたどり着くと、村人がわらわらと集まってきた。
ほとんど会話はなりたってないけど、ぼくの焦り様を見て理解してくれたのか、井戸から水を汲んでくれた。

水を補充してもエンジン温度は80℃から下がらず、あっという間に沸騰し、水も吹き出し、冷却水がなくなってしまう。
走り出しては家を見つける度に毎回バイクをとめ、片言で事情を伝え、水をもらう。
4・5回くりかえしたところで言葉が通じなくなった。
そう、ギニアビサウのポルトガル語からギニアのフランス語に変わったよう。いつの間にか国境を越えていた。
写真の彼らは国境最前線の兵士たち。
といっても住人は自由に往来するのでこのあたりは平和そのもの。
ここにはイミグレーションオフィスもなく、パスポートを確認し、水をもらって通過する。
「こっから先はそのバイクじゃぜってー無理だ。いつでも帰って来いよー!」と手を振る兵士たち・・・

彼らの言葉通り、アップダウンが出てきて砂地や岩場がはじまった。
ところどころ階段のように段々になっている。
水漏れもさることながらこのバイク、出発2日目のエンジン焼き付き以来、パワーがなくなっていた。
走り出しが歩くくらいのスピードしか出ず、平地なら20mほどで徐々に勢いがついて時速50㎞くらいまでスピードは上がっていくものの、こんな凹凸のあるダートではその勢いがつかずに止まってしまう。上り坂では走り出すことは不可能。
一度止まってしまうとバイクを降り、押しながら走ってバイクに勢いをつけなくてはいけない。
岩場の上りでは足を滑らしたりバランスを崩して何回もこけた。
荒れた岩場で30㎝くらいの段差を越えようとした時、バイクがこちらに倒れてきてバイクの下敷きになり、右肩を痛めてしまった。
うずくまって激痛をやり過ごし、しばらく休憩してみたものの、とうとうバイクを押すこともできなくなってしまった。

そんな時、どこからともなく現れる住民たち。
電気も水道もない弥生時代のような生活をおくる人たちが家族や友人を呼んでみんなでバイクを引き上げてくれた。
バイク押してもらい、家に招待してもらった

ちょうど昼時でご飯まで! 涙ちょちょぎれますー!!

山盛りの白ご飯に、一匹の魚をトマトと煮込んだスープをかける。
このご飯を大人5人ほどで分け合って手でいただく。
少し残しておいたもの(集めても茶碗一杯分くらい)を子供たちが群がって食べる。
大人の残した魚の骨を口の中でしゃぶり、手に着いた米粒もきれいに舐めとってそれで一食。
これと同じようなのを夜にも食べる一日二食の生活らしく、身体に無駄な贅肉のついた人はいない。
きっとお腹がすいているのが常でそれが普通になってるんやろうけど、
一食食べ逃すことだけでもすごい深刻で不安にもなってしまう自分を恥じる。

子どもたちの服がキレイだなーと思っていると、どうやらここはこの辺りの村長さんのような人の家らしい。
そういえばコンクリの家やしね。

恥ずかしがり屋の子ヤギさんかわゆす。
こけたところを助けてもらいご飯までごちそうになって、自分は彼らに何も返せてないのが恥ずかしくなるけど、
この分のありがとうは自分ができるときに困っている人に返していこう。人生をかけて。
ペイフォワード!!

さて走りだすと下り坂。ありゃりゃおかしいなと思っていると川に突き当たってしまった。
川幅は100mほどで、水をなめてみると塩味、汽水域のよう。
潮が引けば歩いて渡れるかと思ったけど、そんな干潟のような感じではなく流れが速い。こりゃ深そうだ。

河原にいた人たちに尋ねてみると、ボートにバイクを乗せて川を渡ることができるらしい。
この奥に写っている台船かと思ったら、どうやら手前の手漕ぎの木造ボート!!
ガリガリのおじいちゃんが蝿の止まりそうなゆるーい動きでオールを漕いでやってきた。

この集まってる人たちは荷物の運び屋&バイクタクシー。
ぼく以外に通りがかる人なんてまったく見んかったけど、商売成り立つんかねー?
彼らの力でバイクを持ち上げてボートに乗せると、喫水線ギリギリ。
波をかぶったらいっきに沈しちゃうんですけど大丈夫!?
呼吸するのさえ船を揺らさないように静かにそぉーっと。
対岸に着いた時にはひと安心でどっと疲れが出たけど、そこから始まる船賃と荷運び屋へのバイク積み込み料金の値段交渉。
現地人は100円ほどで渡ってるのを見たあとに請求してきたのは30ドル。3000円。
船漕ぎのおじいちゃんじゃなく取巻きの関係ない奴らが上前をかすめとろうとやかましく言ってくる。
ぜんぜん関係ない軍人までワイロを請求してきたりしてプッツン。
怒鳴って叫んで300円たたきつけてサヨウナラ。
もうほんと、何から何まで気の休まることのないバイク旅です。
川を渡ると道が広くなった。
しばらくの間アップダウンはマシっぽい時の動画。
前半が走行風景で、後半は泣きごとです(笑)

ガタゴト揺られた荒れたジャングルのダートから、視界の開けた平地にでた。道も広い!
ウキウキしてるところに今雨季初のスコールが。
雨が上がったところを急いでいると、学校帰りのこどもたち。しばらくおしゃべり。
・・・してると、また激しいスコール。
集落に逃げ込むと、子供とくらすおじいちゃんが家に招いてくれた。
シーズン初スコールにテンション上がりまくった子供たちが裸になって雨の中に飛び出し暴れ回る!
泥に飛び込んでちんちん丸出しでダンスを踊ったりサッカーが始まったり。
しかし雨はぜんぜん止む気配がなく、日がどっぷりと暮れてしまった。
おじいちゃんはうちに泊まっていけと誘ってくれたけど、泥と草で作った粗末な家は雨漏りもひどい。
三畳ほどの家の中、たぶん気を遣っていいところで寝かしてくれようとするやろうし、
ありがたいけどそれはそれでこっちもちょっと疲れちゃうかなと、どっか雨のしのげるところでテントを張るというと、学校の校舎へ案内してくれた。

次の日は土曜日ながらも早朝6時に子供たちが登校してきた。
朝からみんなテンションマックスで、こりゃ全員集合してもうたら出発どころじゃなくなりそうだ。
ささっとテントを片付けてお礼にヌテラ(チョコペースト)をプレゼントして出発。
手を振るのに後ろを振り返ると、子供たちがヌテラのビンに手を突っ込んでベロベロ舐めまくってて誰もこっち見てねー(笑)

そこからもすげー悪路に泣かされた。
転倒し、スコールに降られ、10分ごとに冷却水を補給し、
ほぼすべての集落ごとに停まって集まってくる村人に囲まれごちゃごちゃになりながら水をもらい(ありがたいけどかなりストレス。ごめんなさい)、
なんとかバイクも壊れることなく舗装路に出ることができた。

こんな盛り上がりのないちょっとした市場でもこの時はモノが溢れた楽園に見えた。ちょっと泣いた。
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