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現代日本の秘蔵っこ、磯田よしゆきの自転車世界一周旅行

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ギニアからの脱出、シエラレオネを目指せ ~アジ演→初めての革命!編~



現在(11月15日)ザンビア南部カフエの町にいます。
首都ルサカに日本からの荷物を受け取りJICA隊員こんちゃんちに戻ってきました。

おニューのサドルをバシッ!と装備、カメラをフロントバックに仕込んで準備万端。
明日から自転車旅行再開だよーん!

考えてみるとカフエで2週間。
ルサカの前はトラックヒッチハイクして一週間トラックで過ごしたり、
その前はタンザニアで盗難にあってしばらく停滞していたのでここんとこ自転車をこいでない。

おまけに東アフリカに入ってからサドルの調子が悪くてポジションが安定せず、
あちこち体を痛めながらの走行が続いてたから、サドルを交換してここから気分一新。

ちょうど良い450km先に次の目的地、リビングストンにてビクトリアの滝を見に行ってきます。


そーんなわけでブログは今年5月くらい?
スクーターを買っての西アフリカ旅、ギニア編だよーん。




sl (1)
エンジン冷却水の漏れが悪化し、不動車になりながらもたどり着いた首都コナクリ。

故障個所を開けてみると冷却水の漏れを防ぐメカニカルシールがバラバラにちぎれていた。
エンジンの反対側で回転軸を支えるボールベアリングも粉々に砕け、
水を循環させるためのプロペラは6つ中5つの羽が折れていた。

スクーターのないこの国で、交換部品が手に入らない=廃車というプレッシャーの中、
首都コナクリのバイク&車屋を片っぱしから訪ねて回った。


そして奇跡の発見!!




sl (2)
この国にひとつあるか無いか、という確率に思えた部品探し。
見つけてくれたバイク屋クルーたちにビッグラブ!!




sl (3)
さっそくウォーターポンプメカニカルシール部を全交換。

隣国シエラレオネを目指して出発だぜバディ!!




しかし、、、


水漏れはコナクリで修理してきたけど、他の修理を忘れった!
走り出してエンジンが温まってくる頃には熱で変形したシリンダーから排気が漏れ、
それが冷却水路に漏れ出してラジエター液が足元から吹き出した。
このスクーターって蒸気機関車やったっけ? なんて考える間もなく熱湯が降り注ぐ!




sl (4)
出発早々で引き返すのもなんかやだなーと地図とにらめっこ。

目指しているのは東隣のシエラレオネ。
聞いた話では首都のフリータウンまで舗装された道路で行けるらしい。

このまま行っちゃうか? でももし途中で壊れたらなぁ・・・

そだ!シエラレオネは旧イギリス植民地で英語圏!
部品買うにしても修理してもらうにしても言葉が通じるのはデカい。

行くのを楽しみにしてた国でもあるし、バイクはひどい状況やけども今までよりはだいぶマシ。

このままぱぱーっとシエラレオネに向かっちゃおう!!




sl (5)
ぼくの乗るスクーター、ホンダ・パンテオン150。

セネガル・ダカールではほとんどのバイクがスクーターだったけど、他の町や他の国ではスクーターは走っていない。
(部品点数が多いのとタイヤが小さく未舗装路が走れないからかな。)
なもんで、スクーターが珍しいようで現地人にものすごいガン見される。
路肩に停めるとわらわらと人が集まってきて、これはバイクか?車なのか??オートマティックだと!?と、興味津々。
まるで未来人の気分。

ぼくを抜かしていく車やバイクもスピードを落としてガン見。事故らんとってね。




sl (6)
なーんかいい感じの橋じゃないですか!夏休み感!ボーイミーツガール!




sl (7)
久しぶりのキャンプは雨。

バイクの故障が続き時間がかかってしまい、雨季が本格的に始まってしまった。
涼しくなるからそこまで悪くもないし、キャンプ飯後に皿を洗うのが楽でいいんやけどね。




sl (8)
途中の村で買ったお米は3級米。

こっちのお米はタイ米のように細長くバサバサしたものがメイン。
たまに短粒米と呼ばれる日本米のように丸っこくてジューシーなやつと出会うこともある。
それぞれのコメの種類ごとにランク(品種)があったりするけど、最下層のお米がコレ。

なんの米だか知らんがバッキバキに割れた米。
運ぶときの衝撃でここまで砕けたのか、普通の米から割れたのだけを集めたものなのか、
こうなった経緯が気になりまゆゆ。




sl (9)
今日も走りまっせー
ギニア・コナクリからシエラレオネ・フリータウンへは200kmほど。

順調に走って2日目夕方、国境イミグレーションオフィス着。


おっと、シエラレオネ側のイミグレでひと悶着。

180ドルという信じられない料金を振り込みネットで申請したシエラレオネのビザ。
支払いが済んだという確認メールは来たのに、いつまでたってもビザ発給のメールが来ていない。
通常なら2~3日で済みそうなものがすでに一週間以上経過している。
申請時に指定しなくてはいけない入国指定日は今日。

できるだけのことはしておこうと支払い受領のメールをプリントアウトし、イミグレーションオフィスにやってきた。


「ビザ代金の支払いが済んでいるのは分かった。で、ビザナンバーは?」

そりゃそうっすよね・・。

入国管理局に問い合わせてみてくれと言っても、オフィスの閉まる時間だといって拒否。
コナクリに戻ってビザ取って来いの一点張り。

「あほか!コナクリまで戻るやつがおるか!電話しろ!そっちの怠慢のせいやろ働けク○が!!

そーんなやり取りを小一時間。
泥仕合はイミグレが閉まる時間にもつれ込み、ひとりまたひとりと係官はリングを去っていく。

このままじゃほんとに入国できひん。ってかギニア側に戻るにもギニアビザはもう失効してるし・・。
ちょっと焦りつつもしつこく食い下がり日がとっぷり暮れたころ、ようやく相手が折れてくれた。

「しょうがないなぁ。ビザを発給してあげるよ。
 でもこれは異例中の異例だから絶対口外しちゃダメだよ」
そういってビザのスタンプを取りに出て行った若手係官。しかしすぐに戻ってきた。

「スタンプ庫のカギを所長が持って帰ったみたい!ごみーんwww」


試合は延長戦に突入。舞台はリングから場外へ。
というのも、帰っちゃった所長のお宅にトツゲキ~!イミグレを出てバイタクを拾い、所長の家へ。
ビザもなければ入国手続きも済んでないのに(笑)

事情を話す。支払い済みメールをプリントアウトしたものをのぞき込みふむふむと所長。
ながーい沈黙の後、ひと言。

「doubtful」 =疑わしい。

そして、

「This is fake」 =偽もんだろ

180ドルも振り込んだのにdoubtfulってなんじゃ!180ドルやぞ180!!とまた怒り、
払った!怪しい!コナクリ戻れ!いやじゃ!払った!怪しい!コナk・・(略


なんやかんやすったもんだあり、最終的に「じゃあ200ドル」。はいでました。


とっくに180ドル払っとるんじゃ!うっさい怪しい!コナクリ戻れ!いやじゃ!払った!怪しい!コナk・・(略


正規の手続きで高い代金を支払ってるのにすげー煮え切らんけど、所長も出かけると言ってもう時間がない。
このままここにいてもどうしようもない。ってか不法入国状態やし。

値切りに値切った20ドルを支払い、シエラレオネビザ(ふたつめ)ゲットだぜっ。 全然うれしくねー


ちなみに、ネットで申請していたオンラインビザはそのさらに一週間後、めでたく届きましたとさフ○ック!

ってか国境で取れないはずのシエラレオネビザ。
おまけにぼくの持っていったビザ代金受領メールのプリントなんて自分でいうのもなんやけどすげー怪しい物。
悪い人がこの記事読んだら適当な書類作って入国できちゃうね(笑)



この日はまっ暗闇のなか、入国イミグレから500mほどのブッシュにバイクで突っ込みキャンプ。

翌朝早く畑仕事に向かう人がテントを通りがかり、セイハロー。
起こされて眠たかったけど、英語で話せるってイイ!!
ボンジュールだかアッサラームだか、あんなのは難しすぎて会話にならん!

シエラレオネではちょっとした目的もあり、楽しみにしていた国。
楽しい旅になりそうやなー。とコーヒー飲んでいるところにお巡りさんがやってきた。

身分証明書を見せ、どこから来たどこへ行くと一通りいつもの流れ。
ちょっと警察署まで・・・ とテントを畳んでご同行願われる、これまたいつもの流れ。

警察署に行ってお偉いさんと話してみると、
さっきセイハローした農夫が見知らぬ外国人がいると警察に通報したらしい。
笑顔で話してたのになぁーとちょっと悲しくなりつつ、話は変な方向へ。

「お前はテロリストだ!逮捕する!」

「はい喜んでー」ってなんでやねん!

国境や警察署とも近い場所でキャンプしていたなんて、攻撃するすきを狙っていたテロリストに間違いないとか。
これからぼくを逮捕して首都に送る。裁判を受けて何やかんや。
当分は帰れないぞ!という脅しで、もしそれが嫌ならば、ほらっ。ほらっ!と手のひらを差し出してくる。
この手はなんだと尋ねると、「気持ちだ」とのこと(笑)

「こんな国にテロを起こすメリットなんてあるか!金はやらん!汚い手を下げろ!」いつもの流れ。
「金払うくらいなら逮捕されて裁判所行ったるから書類作れ!さぁ!はよ!」

さすがに書類まで作っちゃうとほんとに送検しなきゃいけなくなるのでむこうも及び腰。
話は進展しないまま時間だけが過ぎる。
警察署内には7~8人の警官がいるので向こうもなかなか強気で諦めない。


同じ部屋の中には警察署前のチェックポストで警官に難癖をつけられ
今まさにワイロを払わされようとしている一般市民がたくさんいて、
自分のことよりぼくの成り行きを湿っぽくじぃーっと見守っている。

不当に拘留されて1時間以上。イライラもピークに。

「お前ら警官の仕事はいったい何や!人々を守ることやろう!
 その警官が一般市民から金を搾取するってどないなっとんねん!犯罪者と変わらんやろ!
 だいたいお前ら(一般市民)も悪いんじゃ!
 拒否しろ!怒れ! 警察に賄賂を要求されたらその度にデパートメントに電話して
 何月何日何時何分、誰々にいくらワイロを請求されましたって報告しろ!
 一か月も続けたらコイツら全員クビじゃ! 行動しろ!アクションだ!」

 「アングリー!!(怒れ) コール!!(電話しろ) アクション!!(行動しろ!!)」
 
いつの間にか熱くなりすぎて拳を握って一般市民に向かって叫ぶという初めてのアジ演体験(笑)

するとエライもんで、警察官に対して怒ったり反抗したりは絶対にしない現地人たちが、
ぼくの問いかけにうなずき、搾取される者たち同士が何やら熱く語り合いだした。

あたたまってまいりましたー!

ワイロを突っぱねて拒否するやつがでてくると、所内には怒号が飛び交いはじめた。
やっべ、怖くなってきちゃった(笑)

警官達にしてみるとまさかの市民の反抗。しかも普段と違って相手も多い。
誰がどう収拾をつけるのか指示系統がはっきりせず、防戦一方。 下剋上あるで!!

そんな中、ぼくに賄賂を要求していたボスが小声で「お前はもういい。行け!」

自分が起こした騒ぎなので最後までその場におるべきかな?とも思ったけど、
マジで土一揆でも起こりそうな雰囲気だったので(みんなカマとかクワを持ってるw)、
目立たないようにそぉーっと退室。署外に出てバイクをぶっ飛ばしてサイナラ~


後々新聞を見てみたけどそれらしい記事もなかったので、暴徒化する前に鎮圧されたってことでしょう(笑)


ふぅ。もうちょっとで革命起こすとこやった。




sl (10)
首都フリータウンが近づき、道路わきは途切れることなく市場のような人手。
そこに急なアップダウンが続き、道路は大渋滞。

目指す中心地まで15kmほどのところでシエラレオネのお金を下しておこうと銀行に寄った。
財布をパンパンにしてさぁ出発! と思ったらエンジンがかからない。

ここのところセルスターターの動力を伝えるドリブンギアがケース内で外れて空回りするという故障が続いていた。
しかし今回のは空回り音以前の問題で、スターターボタンを押してもカチッという音がするだけでモーターが動いていない。

この場合まず疑わなければいけないのはバッテリーの電圧低下。
セルはちゃんと点滅するけど心なしかヘッドライトが弱い。

配線を確認している最中に思い出した。
コナクリでエンジンを修理した後、オルタネータの配線を繋いだ気がしない。
やり慣れた作業なので無意識に繋いでたり・・・いやぁ自信がない。

しかしこれがまたスーパーめんどくさい作業。
カウル、マフラーまで外さないといけないので時間もかかるし、何よりその作業場所が必要。
こんな市場のど真ん中みたいなとこでバイクをバラシだしたらどえらいことになってしまう。

尋ねてみるとこの近くにバイク屋があるというのでその辺の人にバイクを押してもらって持ち込んだ。




sl (11)
オルタネータカバーを開けてみるとやっぱり、配線忘れてた!

ということは充電回路が遮断された状態ということ。
ここまでの3日間をバッテリー電力だけで走ってきたことになる。

この整備屋にはテスターなんてものがなかったものの、原因は電圧低下で間違いないでしょう。




sl (12)
市場の中にある充電屋さんへ。

この辺り首都の近くと言えど、電力があるのは夜のみ。
昼間は明るいから電気はいらんし、そもそも家に冷蔵庫なんて基本的にないので問題ない。
ただこの時代、携帯の充電ができひんのは困る。

電力が不安定な国ではそういった携帯電話を充電するお店がある。
店の外でジェネレーターを回して発電。
店の中にはマキシマムにオクトパス配線で充電器がズラーっ。

携帯の充電だけでなくラップトップ、ゲーム機、足元には車用のバッテリーも10個くらい繋がれてた。

発進できる(セルが回る)程度まで、2時間は充電しなくてはいけない。




sl (13)
シエラレオネ初メシだー!

醤油で味をつけたフライドライスに上げたチキン。
少しの野菜とたっぷりのマヨネーズを添えてどうぞ。
まぁこんな料理なので特別うまくもないしまずくもない。
ちょっといいお店だったので15000レオン(270円くらい)。




sl (14)
さー充電完了!出発だあぁ、、、あれ?

ウンともスンともいわねぇじゃん。
相変わらずリレーからカチっという音のみで、スタータモーターは動いていない。

バッテリーの充電が2時間だけでは不十分だったか。
そりゃ3日間充電されることなくやから、もしかして放電しつくして復活できないかも?
とりあえず、さっきの充電屋さんにバッテリーを持ち込んだものの、今日はもう遅い。
バイクは銀行の敷地内で預かってもらえるように話をつけた。

フリータウンの明かりは見えてるってのに遠いよ~!!

ほんと何ひとつすんなり行かないね、アフリカ旅行。





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緊急停止!故障!破滅!もう勘弁してください・・ ~からの、最重要部品をゲットだぜ!!編~


ジャンボ!絶賛タンザニア北部を走行中。

500kmくらい続いた向かい風エリア。
あと一日走れば追い風にってとこで体をこわしちゃいました。

その原因は、愛用の革サドルブルックス。

長年の使用で伸びた革。張り調整ネジでも追いつかなくなりサドル前部の金具が脱落。
サドルの前方が5mmほど下がってしまったので裏から布を挟み込んで対応していたものの、
その布をちょっといじった結果、普段よりサドル前方が1~2mm下がった状態で半日走っちゃいました。

普段使っていなかった筋肉を使うことになったようで、日暮れごろには激しい筋肉疲労でまったく動けなくなってしまいました。

たった1~2mmの違いで!!
ほんと敏感すぎて嫌になっちゃいます。

とはいえお宿の安いタンザニア。
一泊300円の宿でがぶがぶビール飲みながら療養中。

明日出発して山を越え、目指すはミクミ動物保護区!
自転車で通れるサファリ。 ゾウさんキリンさんライオンさん!!
せっかくならタンデムに誰か乗せていきたかったけど、さすがにこっからで出会いはなさそう。
見つけたガゼルでも乗っけときゃライオンとの遭遇率上がるかなー?


さーてブログは3ヶ月ほど前の西アフリカバイク旅行。
かなり辛かった地獄の真っただ中で、バイクの専門用語も多く理解不能かもしれません。
おまけにしんどすぎてロクに写真も撮ってないのですが、まぁ記録の意味も込めてアップしときます。

あと2・3個記事をアップするといっきに旅が進んでいくのですが、個人的には一番しんどくも一番ディープに西アフリカを感じた頃でした。


そうそう、10月15日のNHK「地球ラジオ」に電話で出演するよ~!



d (1)
絶賛大不調の西アフリカバイク旅!!

ギニアの首都コナクリまでいけばきっとパーツを手に入れることができるはず・・・
そう信じて前だけ見据えて走りつづける過酷な道のり。

しかしコナクリ手前BOFFAで今度はスターターが故障。
修理ついでにしばらく滞在するうちにバイク不調のおおもとらしき原因を突き止めた(?)。

エンジンオーバーヒートでエンジン自体が熱膨張→変形し、
エンジン内の排気が冷却水路に漏れ出したことで冷却水が噴出し、パワーが出なくなっていた。

BOFFAでしばらく滞在し修理完了、いざコナクリへ!
・・とスタートして30分もしないうちにまたしても冷却水が吹き出して・・・

結局のところすべての故障は連鎖的に影響しあっているので、
一番最初の故障であるウォーターポンプからの水漏れを直さないことには、

冷却水が減る → エンジンオーバーヒート(エンジン熱膨張) → 冷却水噴出 → オーバーヒート → 初めに戻る

負の無限ループから抜け出すことができない。

ウォーターポンプの部品を求めて、コナクリまでの瀕死の行軍は続く・・・




d (2)
BOFFAからコナクリまでは100kmほど。
時速30kmほどで走っているので4時間もあれば到着できる。




d (3)
ギニアの首都コナクリは海に突き出した半島先端の町。




d (4)
国道から道を折れると、コナクリに向かって続く40kmのバイパスになった。

あいかわらず冷却水は漏れまくりで、10~15分ごとに水を補給しつつ進む。
水がなくなると民家やガソリンスタンドで水をもらいに走る。

中心に向かうにつれ、バイパスが渋滞し始めた。
スピードを出して走っている間は走行風でエンジンが最低限冷却されるけど、
渋滞でいったん停止してしまうと水温計の針はレッドゾーン目指して駆け上がっていく!

シート下や足元からゴボゴボと冷却水の沸騰する音が聞こえ、熱湯が噴出する。
バイクを路肩に止めるにも車がびっしり、路肩は乗り合いのバンが途絶えることなく発着してる。
歩道はというと露店がひしめき人でぎゅうぎゅう。

一刻も早くエンジンを止めないとオーバーヒートしてしまう!!
もし次ピストンが焼き付いたら、、、もうほんとうに終わり。バイクはただの鉄くずになる・・。

レッドゾーンを振り切りエンジンからキンキンと熱膨張したピストンのきしむ音。
はやく動いてくれー!もう水がないんだよー!!

詰まっている車をバンバン叩いて少しづつ動いてもらい、人だらけの路肩に突っ込む。
即座にエンジンを止めラジエターキャップを開けると、、ドッパーン!と熱湯の大噴射。

大パニックの野次馬さんに平謝りしつつ、水をもらえないかと付近を訪ねるも、
この辺りは水道が整備されていないらしく、貴重な水はあげられないと。

泣く泣くミネラルウォーターを買い、冷却水を補給する。
コナクリ中心部へは渋滞が延々とつづく。2Lのミネラルウオーターでは5分ももたない。
その5分間に走れるだけ走るしか!素早く出発!

・・・が、セルモーターが空回りする音。

BOFFAで修理したはずのセルモーターギヤ外れ。直ってなかったのかよ・・。

ここで修理するにもすべてのカウルと熱々のマフラーを外さないといけない。
どれだけ急いでも1時間はかかる。この炎天下、野次馬だらけの中で・・・


とりあえず人ごみから離れよう。作業できる場所を探そうとバイクを押して歩き始めた。
しかしそれに合わせて野次馬たちが着いてくる。ヤイヤイとうるさい。

「疲れてるんだ。頼むからついてこないでくれ」と伝えても一向に立ち去らない。

いいかげん腹が立ってきて「どっかいけよ!」と叫んでも、
シノワ(中国人)が怒ってるぜ~ゲラゲラ~!ヘイ!ブルースリー!アチョー!!と、よけいからかってくる始末。


気が狂いそうだ・・。


ちょっとしたもみ合いになりつつ、どうしようかと途方に暮れつつ何気にスターターを押してみると、エンジンがかかった!
エンジンをかけたまま水を放り込み、素早く出発する。


しかしバイクは常にオーバーヒートギリギリ!緊張状態がつづく。


少しずつ前進している間に日が沈み、少しずつ涼しくなってくると気持ちも落ち着いてきた。
コナクリ中心部へはまだ遠い。宿を探そう・・。



d (5)
BOFFAで仲良くなったニェレケ・ラマが教えてくれたモーテルへ。
一泊100,000GNF(ギニアフラン)=1200円。ちょっと高いけど、しょうがない。もう動きたくないよ・・。

しかし、チェックインは夜24時だと言う。
そんな時間にチェックインの宿なんて聞いたことねーよ!と、よく分からないフランス語で突き詰めていくと、
ここはモーテルという名の連れ込み宿。日をまたぐ24時までは1時間300円。つまりは「休憩」。
日が変わってようやく「泊まり」に入るらしく、今チェックインすると24時まで4時間×300円の1200円が余計にかかってしまう。

なんかすげー割高。 ケチるかぁ・・。

駐車場の片隅でうとうとしながら24時を待つ。ボスがやってきた。

ボス「君は日本人か?ヨシか?」

ぼく「そだよー」

ボス「(従業員に)お前ら! おれのゲストになんてことしてんだ!」

ぼく「???」

なんと、このモーテルの経営者はニェレケ・ラマのお兄ちゃんだった!
ラマから友達の日本人がそっち行くかもと連絡がいっていたようでいきなりVIP待遇に!




d (6)
翌朝、起きると昼の12時すぎ!!

昨夜はラマのお兄ちゃんとビールを飲んでて、、、 覚えてないや。

チェックアウト時間を過ぎてるので慌てて荷物をまとめお兄ちゃんに謝りに行くと、
許してくれたどころか、「友達じゃないか!」と宿泊代金すら受け取ってくれなかった!

うぅ、、ありがとう・・・。
とくに厳しい状況だったのもあって親切が身に沁みる。

ニェレケ一家はギニア山奥の貧しい村のお家。
何よりも教育が大事と、兄弟それぞれが勉強をがんばりお兄ちゃん二人は国立コナクリ大学卒。
ラマも教育水準の高いBOFFAの公立高校で学びながらお金を稼ぎ、大学を目指している。
どうしようもない貧しさを悲観したり諦めることなく努力し、恐れず挑戦する姿勢。

旅の中で個人的に閉塞感を感じていた「アフリカ」。
そんな中でもこんな若者もやっぱりいるんやね。出会えて知れてよかった。

ギニアの未来ははニェレケファミリーにまかしたぜ!! ←誰?




d (7)
ニェレケブラザースと盛大に別れてコナクリ中心部を目指す。
渋滞のない時間帯に半島先端のコナクリ中心部にたどり着くことができた。

しかし町中では宿を探しながらトロトロと走るのでバイクは常にオーバーヒート寸前。
バイクを置いて歩いて探そうと思っても、盗難が多いらしくどこもバイクを置かせてくれない。
げっそりしながらバイクを押し、ガイドブックに載っていた宿、事前に調べておいた宿を回る。


ぜんぶ潰れてるとか・・。


コナクリでは郊外にモーテルの集まるエリアがあって、結局そこにしか安ホテルはないよう。

昨日通り抜けてきたあの地獄を戻るのか・・・
ニェレケファミリーのモーテルに戻るという選択肢もあったけど、
たぶんお金を受け取ってくれないやろうし、なんか悪い気がして他のモーテルを探すことにした。




d (8)
中心部から15kmほどでいくつかモーテルの看板はあったけど、どこも道を入っていった奥にあるよう。
パワーがない今のバイクの状態で人だらけの未舗装路に突っ込んでいく気にならず、どんどん郊外へと離れていく。

下り車線は渋滞も少なく、オーバーヒート寸前と水の補給とを繰り返しつつ、結局30kmほど戻って再びモーテルのないエリアに入ってしまった。
引き返すしかないかぁと思いつつの水補給。

ん??何かおかしい? 水漏れが悪化してる?

ペットボトルからそそぐその勢いのまま水がドバドバ漏れていく。
エンジンをかけて走り出すころには漏れる水すらない状態。もうエンジン掛けられへんやん・・。

間の悪いことにこの辺りは長ーいアップダウンが続いている。
もし今いるこの坂を下って谷底へおりてしまうと、そこで身動きが取れなくなってしまう。
バイクは坂を押して上がれるような重さではない。

来た道を戻るのは上りになるので不可能。
できるのは、惰性で坂を下っていくことのみ、、、




d (9)
MOTEL「THE CHANEL」

奇跡!モーテルの看板がっ!!




d (10)
モーテルへはバイパスから折れて荒れたダートを下っていく。

不吉なことが頭をよぎる。
もしモーテルが泊まれないような値段だったら、
もし宿泊拒否をされたら、、、このダートを押して国道へ戻ることは不可能。

ようするに行くしかねぇ! 何がなんでも泊まるしかねぇ!!



d (11)
ゴミだらけの湿地帯を横目に、水際まで下ってきた。

上り坂ありませんように!泊めてくれますようにっ!!




d (12)
THE CHANEL到着。 あっ、工事中・・・




d (13,)
かと思いきや!ムルワカさん似のジョンがお出迎え。営業してるよう!おまけに高くない!!
おまけにバー併設でビールが飲める!!!やったー!!ぐばー!!

ちなみに一泊80,000GNF(ギニアフラン)。1000円ほど。
意識なくなるまでビール飲んだろうと思ったけど、
通された部屋が壮絶に汚くゴキブリだらけで逆に意識が冴えわたる☆




さてバイクは完全不動状態。
水漏れを起こしてるウォーターポンプを開けてみると、メカニカルシール部のベアリングが完全に破断。
暴れ回ったシャフトがシールを破壊し、水をシール(塞ぐ)するはずが、完全にツーツーで水が通り抜ける状態になっていた。

ここまで盛大に壊れてしまうと、いくら工夫しても代用部品を作り出すことはできそうにない。

この町にスクーターなんて一台も走っていないけど、奇跡を信じてコナクリへと通う日々が始まった。




d (14)
コナクリの中心部にあるバイク屋、部品屋を回る。
こっちのバイクは究極にシンプルにできているので(安く、修理しやすくするため)、
ウォーターポンプのあるバイクというのがそもそも理解できないよう。

メカニカルシールという単語も、フランス語になるとたぶんぜんぜん違う言葉に代わってるみたい。


部品探し2日目、昼過ぎ。
今日さがして見つからなかったらバイクを捨てよう・・。

中心部から捜索範囲を広げた5kmほど郊外。
30軒ほど周ったけど、どのバイク部品屋にも他車種用すらない。もうダメなのか・・。
道に迷ったついでにご飯でも食べようとレストランを探していると、大規模なバイク修理屋に通りがかった。

奥の赤いパンツのおっさんがボス。ダメもとで部品を見せてみると、
「あるよ」と。「ポンパ du ローだろ?」と。


ポンパ du ロー。ポンパ du ロー・・。


ウォーターポンプ!!


いやーないない。古い日本製スクーターのそれも特殊部品。
スクーターがないこの国でしかも場末の小汚いおっさんが知ってるはずがない。


しかしおっさん、金をよこせば買ってくると言う。それが3000円ほど。
エンジンのピストンが500円もせずに買えるこの国で3000円!?怪しい・・・


しかししかーし!
このおっさん以外に何一つ手掛かりがないのも事実。
バイクを捨てるか、バイクに3000円足して捨てるか。 たいした違いもない。




d (15,)
結局おっさんに乗っかってみた。
ちょっと待ってろと出かけたおっさん。これがなかなか帰ってこない。
あまりに暇なのでバイクの修理を手伝って時間をつぶす。

2時間ほどしてやっと帰ってきたと思うと、おっさん手ぶら。何か言い訳をゴニョゴニョ。
金返せ!と詰め寄ると、「部品は見つけた。しかしあと1000円足りない」

うぐぐ、、ほんとうかよ、、足元見やがって、、、 

悔しいけど他に手段はない。投げるように100,000GNFを渡す。




d (16)
それからまた1時間。

おっさん今度はいけいけの兄ちゃんといっしょに帰ってきた。
ぼくが怒ったら力づくで抑える作戦か・・・??




d (17,)
しかしそのおっさんがポケットからおもむろに取り出したのはまぎれもないウォーターポンプメカニカルシール!!

ウソー!!! でもどうせぼくのスクーターには適合しないんでしょ??

パッケージの裏を見ると「HONDA PANTHEON125、150」 バッチリじゃーん!!!

奇跡だ!いったいどこで見つけてきたんだよおっさん!!
ありがとう!スパーメルシー!グラシアス!!!!

これさえあれば水漏れが根本的に治せる。
熱膨張で歪んでしまったエンジンも、ヤスリで平面を出すように研ぐことが可能だと分かっているので、

水が漏れない → オーバーヒートしない → エンジンが歪まない(排気が漏れない) → 水が漏れない!!

ハッピーの無限ループや~!!!
スクーターで旅できる!ガーナのあの子に会いに行けるー!!
ぼったくられてるのは分かってるけどさらにチップまであげちゃう気分の良さ!!
vivaコナクリ!!vivaおっさん!!




d (18)
うれしすぎて見かけた高級レストランに飛び込んだー!!

メニューを見て正気に返る。高すぎました(笑)
一番安いサンドイッチと、お祝いビール!!




d (19)
改めて部品を眺めてみる。右の列が新品。

水漏れを防ぐゴムとバネが合わさった部品は、タイヤのチューブから切り出しボンドで成形したものの、
バネにはまらないほどに摩耗している。

回転するゴム部品と金属プロペラの間で水を塞ぎつつ摩耗しない謎の特殊プラスチックのワッシャー。
ヒビが入って割れる寸前。

水を循環させるペラに限っては、内部で暴れ回ったせいで羽が一つを残して根元から折れてしまっている。

よくこんな状態で1500kmも走ってこれたよ・・。



さぁ!この部品を組み直せばすべてハッピーおっぱっぴー!!

最低最悪の地獄に一筋の光・・・ 

どころかエレベーター見つけちゃったよ~!!ぎゅうぅぅーん!
ガラス張りで景色サイコー!! ボタン押し係のお姉ちゃんワイカー!!


チーン。

そのドアの開いた先は・・・





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≫ EDIT

バイク故障ついでにBOFFAでゆっくり、サンコンさんち ~故障の原因つきとめまゆゆー!編~


ひさびさネット使えるとこにやってきたー!1か月ぶり??
フェイスブックはこっちのSIMカードで無料で使えるので、そっちにはちょこちょこ書いてたりするんやけど、
携帯じゃブログは上げらんないもんねー。
なんにしても、アフリカの大草原のまっただ中でフェイスブックなんて、悪い冗談としか思えません。

ほい、そんなわけでただいまタンザニア西部のビクトリア湖にきてます。
釣りです!! 釣れません・・・

魚がいないのか、ぼくが下手なのか、、、。 魚、、、、いないよねっ!!
はぁ~、、身の振り方考えよう。


そーんな訳でブログ本編は今から3か月前、タンデム自転車をセネガルに預けバイクを購入しての西アフリカ旅。



j (1)
エンジン冷却水が漏れまくる状態で突入したギニアビサウからギニアへの悪路国境越え。
走らないバイクを押し、転倒して怪我しつつ、冷却用の水をもらいに見かけた集落ぜんぶに寄らなきゃいけないジリ貧の旅。



j (2)
悪路を乗り越えてたどり着いたギニアの町、ボケ。



j (3)
ここまで走ってきたルートには国境線もなければイミグレーションオフィスもなかった。
となると闇両替商もいなかったので食料も買えず、無一文でクズ野菜をもらいつつやり過ごしてきた。

ATMでギニアフランげっとだぜー! 1$=9000GNF(ギニアフラン)
とりあえず日本円で1万円ぶん下すと財布はパンパン。

ちなみに国境にオフィスはなかったのでギニア入国のスタンプは大きな町の警察署に出頭して押してもらった。
ギニアビサウ出国のスタンプをもらいにいろいろ行ったけど、もらえず。出ていくだけだから問題ないでしょ?とのこと(笑)

お金をゲットしガソリンも満タン。入国記念ビールもひっかけつつ、
バイクがなんとか生きてるうちに首都のコナクリを目指すちゃーん!



j (4)
前方にスコール雲が発達していたので水の補給ついでに雨具を着こむ。
さぁ出発!とエンジンをかけるセルスターターを押すと、ウィーンという音。エンジンがかからない。

再度押してみても、ウィーンと空回りするようなむなしい音が響くだけ・・・

セルスターター式の始動は、バッテリーのでセルモーターを回し、
その動力をギヤ等を介してエンジンを強制的に回転させることでエンジン内での爆発を誘発し、エンジンを始動させる。

この「ウィーン」という音は、セルモーターが正常に回っている音。
しかしエンジンが回転しているような振動は伝わってこない。

どうやらセルモーターからエンジンへ動力を伝えるギヤあたりに不具合が起こった模様・・。

こうなると押し掛けも不可能。エンジン下部のギヤボックスを開けるしか・・・


次の町まで、30km。とうてい押せる距離じゃない。
日暮れも近いし雨雲もきてる。 人、、、いねぇ。  ヤバいな・・・ 


水漏れオーバーヒート、水補給問題でゲッソリ疲れ果ててるとこに、このトラブル。

もう考えたくない、テントを張って休んでしまおう・・と思ったものの、水がまったくないのでキャンプもできない。
疲れと焦りで汗がだらだら流れ落ちてくる。暑い中で味のしないタバコの吸い殻だけが増えていく。


道路脇で見たことのない乗り物(スクーター)を見つめ呆然とする中国人はよほど珍しいのか、
車どおりは少ないのに通りがかった車・バイクは100発100中で停まり、あっという間にテーマパーク!!

その中にいたバイクのお兄ちゃんが30km先の町までけん引してくれることになった。
バイクでバイクをけん引!?やったことないけど大丈夫?

不安は的中、洗濯ヒモで兄ちゃんのバイクのキャリアとスクーターのフロントフォークを結ぶと、
きっちりまっすぐに繋げてはいないので、走り出すとガツン!とハンドルがナナメに引っぱられる。
スピードが出て安定するまでは右に左にガツン!ガツン!とハンドルを取られるのですっげー怖い。

坂道でスピードが落ちてくると前のバイクに突っ込みそうになるし、洗濯ヒモも簡単に切れちゃうので、前のバイクが気づかずに走り去ったり。
兄ちゃんは気づいたらすぐ戻ってきてくれるんやけど、その度に洗濯ヒモが短くなり前のバイクがどんどん近くなっていく地獄。

前のバイクに一回突っ込んで二人ともクラッシュしたけど、なんとか生きてBOFFAの町に着いた。ふぅ。

しかしこれで終わりじゃない!こっからバイクの故障原因を探って修理して、、、なんて日だ!!


けん引してくれた兄ちゃんがバイクのメカニックに連れて来てくれたものの、まったく原因に見当がついてなさそう。
明らかにセルモーターが空回りしている音なので、まずはセルモーターを外しそのあたりのギヤの組み付けを確認するべき。
しかしそう伝えてもまったく理解してない。電気系統の線を外してバチバチと火花を飛ばし何かを確認し始めた。(テスターを使わない原始的導通確認方法)
このバイクにはヒューズがあるからショートさせちゃダメ!飛んじゃう!!と言っても聞かず。

触るな!! と大声でみんなをフリーズさせ、おれはジャパンのエンジニアだ!トヨタから来た!
原因はわかってんだ!カウルとマフラーだけ外しとけ!!とかなり高圧的にたのむ。肝心の部分は自分で確認し作業しないとまた壊されるからね・・。

開けてみると原因箇所は一目瞭然、スターターモーターの動力を伝えるスターターアイドルギヤ。
シャフトに通したアイドルギアが、ギヤケース側まで動いてしまい、他ギヤとかみ合っていなかった。

ここはウォーターポンプの修理の時にメカニックで開け閉めした箇所。
きっとシャフトとギヤケースの間にあったスペーサーのようなものをどこかにやっちゃったんでしょう。はは・・。



j (5,)
日が暮れたもののなんとかバイクは復活し、宿を探してチェックイン。

メカニックで作業中の野次馬の中で少しだけ英語を話したニェレケ・リャマと仲良くなり、夜のバーへと繰り出す。

バイク故障の原因も分かったしなんとか対処できそう。
宿も快適やし厳しい国境を越えてひさびさの宿。ビ-ルまである!

ベロベロに酔っぱらった帰り道、田んぼのあぜ道を2ケツでぶっ飛ばし気持ちよく走っていると、エンジンがギュイーンギュイーンギューンブブブ・・・ と急停止。

冷却水はあちこちから吹き出し水温系は針が折れるんじゃないかというくらい振り切ってる。
オーバーヒートからのエンジン焼き付き。アゲイン・・。


自分のテンションが上がりきった時、決まって大きなトラブルがやってくる。20代からずっと繰り返してきた。
楽しみにし過ぎて体調崩して楽しまれへんとか、財布落とすとか、逮捕されるとか・・・

テンションが上がってきたときには心を落ち着かせようドカーンといっちゃだめだと、気をしずめるようにしている。
でもそうなるとなんとなくその楽しみにしてたことも楽しみきれなかったり。子犬のようにしっぽ振りまくってはしゃぎたいよねー

この時も、苦労して悪路を乗り越えバイク故障が起こり途方に暮れなんとか解決し、奇跡的にビールにありついた。
英語も話せて酔っぱらって帰って寝るだけ、こんなときくらいテンション上げさせてよー!



j (6,)
翌日からまた、バイク修理が始まった。

宿の庭で作業していると、ブラブラしてる兄ちゃんが集まってくる。
フランス語はまったくダメだけど、時間とともに少しづつ意思が伝わるようになってくる。

こまごまとした作業を手伝ってもらいかなり楽になった。



j (7,)
マンゴーの煮物がこの地方の名物らしい。ご飯?おやつ?

水も加えずただただ煮込むらしく、濃密になる甘さに酸化の酸っぱさが加わる不思議な味。あっつあつ。



j (8)
晩ご飯もご馳走してくれた。
西アフリカで広く食べられてる肉などのトマト煮込みのぶっかけ飯。間違いのない味!



j (9)
庭になってた果実。ドリアン??



j (10)
一日の締めくくりはビール。

ギニアはかなり強めのイスラムの国なのでバイク作業をしながら人の目に触れる場所で飲むことはできない。
みんなと別れて日が暮れてからこっそりホテルを抜け出し、ビールを買いに行って部屋でカンパイ。



j (11)
肝心のバイク修理。
スターターギヤの脱落はゴムチューブなどを使って固定部品を自作し対応。
エンジン焼き付きもなんとなく、、それなりに、、、とりあえず動く感じにはなった。

それだけでも日本でバイク屋にだしたら10万くらいとられそうな大作業。しかしバイクには他にも故障だらけ。
宿が快適なのでしばらく腰を据えてかたっぱしから片付けていくことにした。


ラジエター・エンジン冷却水経路内の圧力が高すぎるようで、あちこちホースが破裂したり
しまいには沸騰した冷却水がリザーバータンクから爆発的に吹き出すようになっていた。

エンジン腰上をバラし、シリンダーのカバーを眺めていると、違和感。
あっ、このバイクのガスケットは左右対称じゃないからかー。へぇー。  水の循環を想像してみる・・・

組み付け方向間違ってんじゃん!!
これじゃ右下方向に水が集中して冷却水が効率よく循環しないはず。



j (12)
こうだ!! これで左右対称に冷却水が流れるはず!

しかしこの間違いだけで、冷却水が逆流して吹き出すほど循環が滞ってしまうとは考え難い・・。
きっとまだ他にも原因があるはず。

ニェレケとインターネットの使える場所を探し、ネット検索。
すると想像のナナメ上を行く故障原因が発覚!!

写真で膝の上に載ってる塊の中央の円形のがピストンシリンダー室のフタ部分で、中心の穴にはプラグが収まる。
それを取り巻く楕円形の穴が冷却水の通路。シリンダー室の脇を通過してラジエター、ウォーターポンプへと循環する。
(各角の丸穴はエンジンを固定するためのネジ穴ね)

金属(アルミ)の塊であるエンジン本体も、オーバーヒートで数100度にまで熱されると、熱膨張を起こしてしまう。
それが冷却されていくとき、部分ごとの少しの放熱具合の違いから変形したまま収縮してしまうことがあるらしい!!

特に温度の上がるシリンダー周りが変形しやすいわけで、そのすぐ横にある冷却水通路。
変形してうまれたゆがみでこの二つが繋がってしまっていたのだ!

これはなかなか恐ろしい話で、1分間に数千回繰り返されるシリンダー内でのガソリンの爆発。
その排気が爆発の勢いのまま冷却水の循環経路に流れ込む。そりゃあ冷却水も吹っ飛んでってすぐ無くなるやろうし、
爆発の圧縮が漏れることでエンジンのパワーは大幅にダウンする。
「シリンダーヘッドガスケット抜け」という故障らしい。

写真をよく見てみると、シリンダー室から黒いススの汚れが冷却水の通路につながっていた。気づかんかったなぁ~

BOFFAで高温対応の液体ガスケットを購入することができたのでたっぷりと塗り込んで修理完了。
念を入れて乾燥させるのにまるまる1日とった。



j (13)
BOFFAはオスマン=サンコンの出身地らしいいつかねっとしたときに見ていて、
村人にサンコンさん知ってる?と聞いてみると、半分くらいの人が知っていた。
ニェレケも家まで知ってるらしいので行ってみることに。

貧しい村の外れに異様な豪邸!
サンコンさんちの警備員曰く、正面のはサンコンさんのお母さん、左のが姉だか兄が暮らす家らしい。
「本人は日本なのでおらんけど、お母さんならおるよ。呼ぼうか?」と。

おぉマジで!!
でも、、よくよく考えてみたらサンコンさんのお母さんといったい何を話せばいいのか(笑)

ってか、警備員がその家の内情を話しちゃダメでしょ。

ちなみにサンコンさん、いろいろな努力を経て外交官から日本でタレントになったお人。
ちなみにちなみに、息子の名前は「ヨンコン」らしい。



j (14)
さーてバイクも修理したし、これで気持ちよく旅が続けられるー!
一週間も滞在してほんとみんなと仲良くなったBOFFA。

グッバイ元気でなー!!



j (15)
仲良くなったシエラレオネ人のおっちゃんの店に挨拶に寄る。
と、これまた他で仲良くなってた村の英語の先生もいた。ふたりは仲良しらしい。

みんなに感動的に見送ってもらってBOFFAをあとにした。



j (16)
大きな橋を越えっているとマングローブが見えた。海が近いんだねー。


と、、、


修理したはずのシリンダーヘッドのガス抜け。


エンジン内にできた隙間を液体ガスケットで埋めたはずが、
エンジンの熱と、爆発の圧力であっという間に吹っ飛んでしまった模様・・。

エンジン冷却水がBOFFAー!!と豪快に吹き出し、 ひとり熱湯コマーシャルな日々はまだまだ続く・・・




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10月15日にも出るよー! NHKラジオ第一「地球ラジオ」
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