中米墨西哥洞窟壁画探訪記 ~ラバでお尻はズッキズキ編~
そういえば、日記に地名が無くて今どこにおるか分かりにくい!とのメッセージを幾つかもらいましたので、これからは記録としての意味もこめ、地名をしっかり残して生きたいと思います。
ちなみに今いるのは、アメリカ大陸を西海岸沿い(太平洋側)に南下したところにある世界最長の半島、バハカリフォルニア半島を南下してます。
さて本題。
前回はバハカリフォルニア半島中部Gerrero Negroに到着し、知り合ったマニュエル=ムニョスの親戚の村に遊びに行ったり風邪ひいたりで5日間滞在。
そして今回はいざ出発!
といってもいきなりマニュエルの親戚の村に寄ってお昼をご馳走になります。

はーいマニュエル(笑)
今回のタコスの具、でっかい何かの肉を煮込む姿。

昨日の晩にもパーティーがあったらしく、午前様でのそのそ起きだして集まってきたムニョス家の面々。 プシュップシュッと迎え酒サウンドが響く。
ぼくらも腹いっぱいにまでタコス食って、ビールをぐびぐびいただく。あれ?このあと自転車は・・??
というのも、メキシコには世界遺産がいっぱいあって、バハ半島だけでも3つもある。
Gerrero Negro周辺のクジラ保護区、カリフォルニア湾の島々、そしてサンフランシスコ山脈の壁画群
せっかく近く通るのに行っとかなきゃモグリでしょー!と、情報収集を始めたものの、日本人でここに来た人が圧倒的に少ない。
旅行会社を廻ってもたいした情報は得れず。そしてそこへのツアーも無い。
半分あきらめかけた頃、マニュエルの弟が詳しいから車で壁画観光の拠点、サンフランシスコ村まで連れて行ってくれることに! おまけに英語の話せる気のいい酔っ払いマルティンが交渉役を買って出てくれた!

R1を1時間走って、途中から折れてダートに入る。
凸凹がひどくて今にもタイヤが破裂しそうな崖っぷちを1時間半。
崖は数百メートルの高さで、たった一度のミスで車内の6人そろってオダブツ。
ガクブルの日本人3人! それを尻目にワイワイとビールを回し飲みつづけるムニョスファミリー!
もちろんドライバーも・・・
ふと、飲酒ドライバーが車を止めた。外に出ると・・・

地平線までつづくサボテン林は闇に沈み、西の空だけが赤く燃える。 今までこんなに濃い赤を見たことが無い!
ため息を吐いてしばらく立ち尽くす
そして再び恐怖の車内に戻る。
気のいい酔っ払いマルティン。かなり酒が回ってきて、わけの分からん歌を唄いだした(動画)
そしてたどり着いたサンフランシスコ村。
酔っ払いマルティンの英語はもうグダグダ、早く帰りたいオーラむんむんで壁画ツアーの交渉は難航。
メモ帳片手にあぁでもないこうでもと一時間、ようやく片付いたプランがコレ。
初日 ラバ(メス馬とオスロバの交種)に乗って峡谷の底に向かいキャンプ。
2日目 峡谷の底に点在する洞窟の壁画を歩いて回る。
3日目 ラバで崖を登ってカムバック

到着した夜はふたご座流星群接近の日で、辺りに何も無い、もちろん電気も無い、標高120mのサンフランシスコ村からは1分に数個で流れ星が!
テントの入り口を開けて星を見上げながらいつしか夢の中・・・

さーあ待ちに待ったツアー初日!天気は超快晴、テンションも上がる~
これが3日間お世話になるラバたち。

こっちは荷物もちのロバたち

ガイドの二人。
左 普段は羊飼いのホセ どう見ても30台やけど年下の25才。
右 普段なにしてんのか・・ 俺らより写真取りまくってはしゃいでたラモン、20才。

へーい!

サボテンの荒野を駆ける(時速5km)

とんでもない角度で人間でもどうやって降りるのか分からんような崖を、ラバは人を乗せて下りる。
でも5時間も乗ってると疲れ始めるラバがいて、タカが乗ってたのは1分歩いたらふーっと休憩し、ガイドのホセが後ろからフラ!(進め!)と叫んで進みだす。

標高600m下りると、枯れた河原に出る。ここも雨季には豪流になりそう。

いっけんお花畑感でちゃってますが、周りはぜんぶトゲのある植物。
ラバの気分しだいで血まみれに・・・

5時間・・。ラバの背中に5時間揺られてやっとこさたどり着いた、今日明日を過ごすキャンプ地。
ぼくらが降りて鞍を外されたラバたちがまずしたことは・・・(動画)
みんなで共有しようとひとつだけ持ってくる予定だったガスコンロを忘れ、食料も一食につきブリトー1~2本という極限状態。

さぁ翌日! 壁画ツアーの日!
獣道のような今にも消えそうな細い道を辿り、崖を下りてズンズン進む。
昨日のラバもそうやけど、ここに来る日本人の数が少ない理由が分かる。 あまりにキツ過ぎる!そして危険すぎる!
年配や女性やとまず着いて行けそうに無い。若い男性でも運動してる人じゃないとかなり危険。
ちなみに、この広大なサンフランシスコ山脈の壁画を見に来てるのはぼくら3人だけ!!
そんでもってここの前知識をどうぞ
紀元前1100年から西暦1300年にバハカリフォルニア半島、先住民コチミ人(Cochimi)やグアチミ人(Guachimis)によって描かれた。
狩猟の方法や武器や多彩な動物(ウサギ、ピューマ、ヤマネコ、シカ、ヤギ、クジラ、カメ、マグロ、イワシ、タコ、ワシ、ペリカン)が描かれていた、魔術的な信仰を表したものも含まれるほか、抽象的な図像も見られる。
これらの岩絵の多くは高さ洞窟の天井に描かれていたり、2mもの人物像が描かれていることなどから、巨人たちによって描かれたとも信じられていた。

そしてついに現れた!

どん!

どどん!

ぬぼーん

鳥もいる

石に描かれた抽象画。
円に縦線の絵はお尻を表すそう。

これが住居跡。狩りの間の仮の住居とも。
地面にあるくぼみは石を削って塗料を作る際に削れたもの。

ヤギの頭骨。

人の形が他の物とは少し違う。そしてちょっと雑。
この絵は壁画の練習として描かれたもの。

洞窟の天井に書かれてるのでこんなふうにのけぞって見る。

5つの洞窟を回りキャンプ地に戻ろうとする時、ふと見上げた山の頂上にはぼくらを見張るかのようなヤギが二頭、見下ろしていた。

キャンプ地でガイドのふたりが教えてくれた壁画の塗料の作り方。
赤っぽい石を探して粉々になるまで砕き、水に溶く。それを石壁に丹念に塗りこんでいく。気の遠くなるような作業。

これがぼくの壁画。

3日目。
壁画ツアーを満喫して、残るは帰り道。
初日のお尻痛がまだ残っててこれは辛かった!もう2~3年はラバにも馬にも乗りません。

そしてマニュエルファミリーに送ってもらった恐怖の道、帰りはもっと小さい車でしかも!

まったくスペースの無い荷台の上での1時間。
ダートでもベタ踏みでガンガンに飛ばすから衝撃で跳ねる体と自転車。翌日は大筋肉痛大会に・・。
この壁画ツアー代金。
ガイド代、ラバ、ロバ(荷物用)、食費、入域料などなど全込みでひとり9300円。ロンプラにはこの3倍くらいの値段が書いてあり、後日他の町の旅行代理店で聞いてみても3倍弱してたんでかなりの激安!
直接ガイドの住んでる村まで行って現地人に交渉してもらうとこうなっちゃう訳です。
そんなこんなでもう年末!クリスマスに年越しそばにお年玉のシーズンだ!! 今ごろ日本はきらきらでばたばたしてることでしょう。
こっちは海沿いを南下してきてLoretoという町にいます。
バハ南部のLa Pazという大都市からメキシコ本州にフェリーで渡りますが、とりあえず年越しはLa Paz。クリスマスはどっかその辺の山の中か・・・
次はラパスでネットかな。 アディオース!
ちなみに今いるのは、アメリカ大陸を西海岸沿い(太平洋側)に南下したところにある世界最長の半島、バハカリフォルニア半島を南下してます。
さて本題。
前回はバハカリフォルニア半島中部Gerrero Negroに到着し、知り合ったマニュエル=ムニョスの親戚の村に遊びに行ったり風邪ひいたりで5日間滞在。
そして今回はいざ出発!
といってもいきなりマニュエルの親戚の村に寄ってお昼をご馳走になります。

はーいマニュエル(笑)
今回のタコスの具、でっかい何かの肉を煮込む姿。

昨日の晩にもパーティーがあったらしく、午前様でのそのそ起きだして集まってきたムニョス家の面々。 プシュップシュッと迎え酒サウンドが響く。
ぼくらも腹いっぱいにまでタコス食って、ビールをぐびぐびいただく。あれ?このあと自転車は・・??
というのも、メキシコには世界遺産がいっぱいあって、バハ半島だけでも3つもある。
Gerrero Negro周辺のクジラ保護区、カリフォルニア湾の島々、そしてサンフランシスコ山脈の壁画群
せっかく近く通るのに行っとかなきゃモグリでしょー!と、情報収集を始めたものの、日本人でここに来た人が圧倒的に少ない。
旅行会社を廻ってもたいした情報は得れず。そしてそこへのツアーも無い。
半分あきらめかけた頃、マニュエルの弟が詳しいから車で壁画観光の拠点、サンフランシスコ村まで連れて行ってくれることに! おまけに英語の話せる気のいい酔っ払いマルティンが交渉役を買って出てくれた!

R1を1時間走って、途中から折れてダートに入る。
凸凹がひどくて今にもタイヤが破裂しそうな崖っぷちを1時間半。
崖は数百メートルの高さで、たった一度のミスで車内の6人そろってオダブツ。
ガクブルの日本人3人! それを尻目にワイワイとビールを回し飲みつづけるムニョスファミリー!
もちろんドライバーも・・・
ふと、飲酒ドライバーが車を止めた。外に出ると・・・

地平線までつづくサボテン林は闇に沈み、西の空だけが赤く燃える。 今までこんなに濃い赤を見たことが無い!
ため息を吐いてしばらく立ち尽くす
そして再び恐怖の車内に戻る。
気のいい酔っ払いマルティン。かなり酒が回ってきて、わけの分からん歌を唄いだした(動画)
そしてたどり着いたサンフランシスコ村。
酔っ払いマルティンの英語はもうグダグダ、早く帰りたいオーラむんむんで壁画ツアーの交渉は難航。
メモ帳片手にあぁでもないこうでもと一時間、ようやく片付いたプランがコレ。
初日 ラバ(メス馬とオスロバの交種)に乗って峡谷の底に向かいキャンプ。
2日目 峡谷の底に点在する洞窟の壁画を歩いて回る。
3日目 ラバで崖を登ってカムバック

到着した夜はふたご座流星群接近の日で、辺りに何も無い、もちろん電気も無い、標高120mのサンフランシスコ村からは1分に数個で流れ星が!
テントの入り口を開けて星を見上げながらいつしか夢の中・・・

さーあ待ちに待ったツアー初日!天気は超快晴、テンションも上がる~
これが3日間お世話になるラバたち。

こっちは荷物もちのロバたち

ガイドの二人。
左 普段は羊飼いのホセ どう見ても30台やけど年下の25才。
右 普段なにしてんのか・・ 俺らより写真取りまくってはしゃいでたラモン、20才。

へーい!

サボテンの荒野を駆ける(時速5km)

とんでもない角度で人間でもどうやって降りるのか分からんような崖を、ラバは人を乗せて下りる。
でも5時間も乗ってると疲れ始めるラバがいて、タカが乗ってたのは1分歩いたらふーっと休憩し、ガイドのホセが後ろからフラ!(進め!)と叫んで進みだす。

標高600m下りると、枯れた河原に出る。ここも雨季には豪流になりそう。

いっけんお花畑感でちゃってますが、周りはぜんぶトゲのある植物。
ラバの気分しだいで血まみれに・・・

5時間・・。ラバの背中に5時間揺られてやっとこさたどり着いた、今日明日を過ごすキャンプ地。
ぼくらが降りて鞍を外されたラバたちがまずしたことは・・・(動画)
みんなで共有しようとひとつだけ持ってくる予定だったガスコンロを忘れ、食料も一食につきブリトー1~2本という極限状態。

さぁ翌日! 壁画ツアーの日!
獣道のような今にも消えそうな細い道を辿り、崖を下りてズンズン進む。
昨日のラバもそうやけど、ここに来る日本人の数が少ない理由が分かる。 あまりにキツ過ぎる!そして危険すぎる!
年配や女性やとまず着いて行けそうに無い。若い男性でも運動してる人じゃないとかなり危険。
ちなみに、この広大なサンフランシスコ山脈の壁画を見に来てるのはぼくら3人だけ!!
そんでもってここの前知識をどうぞ
紀元前1100年から西暦1300年にバハカリフォルニア半島、先住民コチミ人(Cochimi)やグアチミ人(Guachimis)によって描かれた。
狩猟の方法や武器や多彩な動物(ウサギ、ピューマ、ヤマネコ、シカ、ヤギ、クジラ、カメ、マグロ、イワシ、タコ、ワシ、ペリカン)が描かれていた、魔術的な信仰を表したものも含まれるほか、抽象的な図像も見られる。
これらの岩絵の多くは高さ洞窟の天井に描かれていたり、2mもの人物像が描かれていることなどから、巨人たちによって描かれたとも信じられていた。

そしてついに現れた!

どん!

どどん!

ぬぼーん

鳥もいる

石に描かれた抽象画。
円に縦線の絵はお尻を表すそう。

これが住居跡。狩りの間の仮の住居とも。
地面にあるくぼみは石を削って塗料を作る際に削れたもの。

ヤギの頭骨。

人の形が他の物とは少し違う。そしてちょっと雑。
この絵は壁画の練習として描かれたもの。

洞窟の天井に書かれてるのでこんなふうにのけぞって見る。

5つの洞窟を回りキャンプ地に戻ろうとする時、ふと見上げた山の頂上にはぼくらを見張るかのようなヤギが二頭、見下ろしていた。

キャンプ地でガイドのふたりが教えてくれた壁画の塗料の作り方。
赤っぽい石を探して粉々になるまで砕き、水に溶く。それを石壁に丹念に塗りこんでいく。気の遠くなるような作業。

これがぼくの壁画。

3日目。
壁画ツアーを満喫して、残るは帰り道。
初日のお尻痛がまだ残っててこれは辛かった!もう2~3年はラバにも馬にも乗りません。

そしてマニュエルファミリーに送ってもらった恐怖の道、帰りはもっと小さい車でしかも!

まったくスペースの無い荷台の上での1時間。
ダートでもベタ踏みでガンガンに飛ばすから衝撃で跳ねる体と自転車。翌日は大筋肉痛大会に・・。
この壁画ツアー代金。
ガイド代、ラバ、ロバ(荷物用)、食費、入域料などなど全込みでひとり9300円。ロンプラにはこの3倍くらいの値段が書いてあり、後日他の町の旅行代理店で聞いてみても3倍弱してたんでかなりの激安!
直接ガイドの住んでる村まで行って現地人に交渉してもらうとこうなっちゃう訳です。
そんなこんなでもう年末!クリスマスに年越しそばにお年玉のシーズンだ!! 今ごろ日本はきらきらでばたばたしてることでしょう。
こっちは海沿いを南下してきてLoretoという町にいます。
バハ南部のLa Pazという大都市からメキシコ本州にフェリーで渡りますが、とりあえず年越しはLa Paz。クリスマスはどっかその辺の山の中か・・・
次はラパスでネットかな。 アディオース!
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