カルテラアウストラルの終点、オヒギンスへ!! ~お腹ペッコリーナとボニータと再来宣言編~

フィヨルドの湾を渡るフェリーでいよいよカルテラアウストラルの最終ステージへ。
夜中の雪は朝方にみぞれ混じりの雨に変わりった。
テンションも体温も下がりに下がった船の上。

手持ちの食料はパン数個に小麦粉が200gほど。
船着き場のあるどちらかには食料補給できる所があるかと思ってたけど、
北側のPto.Yungaiは数軒の民家だけ。渡った先のRio Tranquiloは船が接岸するためのスロープがあるだけの場所やった。

アウストラル最終ラウンドは川の多い雨林地帯。
この辺には水が冷た過ぎて川には魚が住んでないと聞かされてたけど、あまりに腹が減ってたから何回かチャレンジした。
時間だけ虚しく過ぎてよけいに腹が減った。
釣りしてる時間があるんやったらちょっとでも自転車で前に進んで町を目指した方がいいのか・・。
釣り禁止令を発布してひたむきにオヒギンスまでの100㎞をこぎ出す。

フェリー乗り場から100㎞先のオヒギンスまでは町も集落さえもない一本道。
食料が無くなったら走ってる車を止めて何か売ってもらったりヒッチしてもいいと思ってたけど、
ぼくが乗って来たのは木曜の昼のフェリー、そして金曜日はフェリーが休みの日。
オヒギンスの向こうにはまた別の湖が広がってるし、ここは両側を湖に挟まれた10kmの一本道以外に道がない。
もし食べ物が無くなってヒッチしようにも前からも後ろからもこの道を通る車はないことになる。
ここまでアウストラルは町から遠いところでも一日5台くらいは車が通ってた。
でもここではほんとに1台たりともも通ってない。
ほんまに食料危機DA!!

こいつは食べれるのか・・・

魚ー腹へったー!!!
*魚=うおと読みます

ぜんぜん関係ないけどアウストラルでよく見る雨林地帯の植物を紹介。
はじめはこんなちっさなかわいい葉っぱが川沿いや水源の周りに生えてます。

あっちゅー間におっきなって、

これがレギュラーサイズ。
2mくらいあるおっきいのもあるけど、雨林地帯はやっぱ雨。
いつも雨の中やったから写真にとることができず、、 残念。

この最終ラウンドには2つ峠があると聞いてた。
ひとつ目を200mくらい上って越え、下ったところで目の前の山に延びる長~い上り坂・・。
やばい、、腹へった、、、

坂の手前でへばってるところに、遠くの方から馬に乗ったおじいちゃん・イゴォル登場。
開口一番、「うち来る?泊っちゃう?」と。
牧場してる老夫婦だけの家で、通りがかった自転車乗りを見つけたらうちに泊めてやるんだ。と。
この辺はまったく人が住んでないから話し相手がほしいんやろうな。
食べ物に困ってると言う前に腹いっぱいごはん食べさせてくれ、

薪を置いてるおっきな倉庫で猫2匹といっしょのキャンプナイト。

次の日は大雨。
もう一泊ここでさせてもらいたかったけど、そこまで甘えるのは悪いなと思い、出発。
イゴォルの家の前からさっそく上り坂。雨ダートの上りは地獄。

ひとつ目の峠を越えるあたりで雲を突き抜けて一瞬だけ晴れゾーンに。

そうそう、この上り坂はアンデス山脈の南端。
ということはここが最後のアンデス越えDA!!
考えてみれば、北米北端から南米南端まで貫く太平洋側の山脈地帯の最後、
旅の最初のカナディアンロッキーから何回も越えてきた山脈の最南端、ほんとに最後の最後。
旅の始まりから苦しめられてきた山々やけど、これで最後となるとちょっと考えるところがあるね。
まぁペルーで越えた4000m一気上りにははるかに及ばんたったの500mアップですが(笑)

峠から下ると平地に入る。
砂利が深くて進めんところもあるけど、ここからは上りがないと聞いてるので、
時速20km平均で走れば夕暮れ直前の夜7時にオヒギンスに着ける計算。
でもダートで平均20kmってのはまず不可能。
ここじゃあ20kmなんて下り坂でしか出したことのないとんでもないスピード。
でもオヒギンスに着かなきゃメシ食えねー!!
音楽パワー(つまりはAKB)で弾丸の様に走り出す。
峠の途中でアメリカ人バイクカッポーに出会って、この2つの峠を越えたらあとはパーフェクトフラット、
アウストラルはもう走破したようなものよ!コングラチュレーション!とか言って盛り上がってたのに、
上り下りだらけやんけ(笑)
もう今日はオヒギンスに着くのは無理か・・・
でも腹へったー
進めるとこまで進むか・・。

オヒギンスまで15kmくらいの、坂を上りきったところで時刻は6時を過ぎ、
疲れ果ててもうテントを張ろうかと考えてる時、遠く先のほう、谷のふもとに町の灯りが見えた。
ここからで直線距離で5㎞くらい。
おかしいな、サイクルメーター上ではオヒギンスまでまだ15Kmはある。
地図を見てみると、
オヒギンス手前で道路が180度のUターン、数キロ走ってまた180度のUターン。
ここからオヒギンスまで直線でちょっとした川がひとつあるだけで完全なフラットやのに、
わざわざ写真手前の半島をぐるっと左の方へ、岬の先端まで回り込んでの遠回り。
気を倒せ!森を開け!!道作らんかーい!!
なんちゅうセンスで道つくっとんねん・・・

とはいえゴールが見えたからにはテンション上がって猛ダッシュ!!
真っくらのダートを15kmぶっとばし、カルテラアウストラルの最終地点、オヒギンス村に到着!!!

せっかく村に着いたけど、買い物だけ済ませてまた町の外へ。
森の中へ分け入ってテントを張る。
これは旅の節約術というか、けちり方のひとつで、
仮に夜に町に到着してホテルを見つけて泊まるとする。代金は10ドル。
ホテルにチェックインしたのが17時として、チェックインタイムの朝10時までの間にできることといえば
メシ作って食って屁こいて寝ることくらい。滞在時間はMAX17時間。
それが、
町に着く前に手前のどっかでキャンプして翌朝10時に町に入ってホテルにチェックインしたとすれば、滞在時間は24時間。
同じ10ドルを払っても、洗濯したりPCや電池を充電したりコーヒー飲んで屁こいて落ち着くこともできる。
前日のキャンプも町の近くまで来てるという心の余裕があるので雨がふってても気持ちは楽。
ホテルに泊まる時は午前中チェックイン! 昼を過ぎるとモッタイナイのだ!!

数週間ぶりに、へたしたら何か月ぶりの卵を食べる!!
アウストラルに入った時は道が悪くて坂は信じられへんくらいキツいし、
寝袋の中で目覚める朝、テントをたたく雨の音を聞いて何回も絶望的な気分になった。
キツさだけで言ったらここまででダントツの辛い道のりやった。
1000kmも道を走りきれるなんてほんまに考えられへんかった。
でもアウストラルにはそんな辛さを差し引きしてオツリがたっぷりもらえるくらい、
見たこともない雄大で美しい景色があった。 んでむっちゃ釣れた(笑)
恥ずかしいくらい、感動しっぱなしの毎日やった。
またいつか絶対きます。こんどはシーズン選んでちゃんと夏にね。
いっぱい食料持って川でキャンプして、急かされることなく朝から晩まで釣りして、
おいしい魚を彼女か奥さんかとフーフーしながら食べてワイン飲んで、
たき火を囲んでギターで唄っちゃったりなんかして、屁こいてあったかく眠る。
ぜったい来るぞアウストラル!!
にゃんにゃんするぞーw
毎週登場してます! NHK「地球ラジオ」
I'm apearing on this NHKradio program!
http://www.nhk.or.jp/gr/shoukai/
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