谷底生活 その中の上下。光の射すほうへ ~ヨセミテ国立公園ENJOY編~
L.Aの愉快な仲間たち、メジャーデビューへの道、激キュートガール情報など書きたいこと山の如し!!といった感じですが、とりあえずヨセミテの続きから。
前回日記のタイオガ峠を越えると、そこからまた10以上の山越えが始まる。
キャンプ場までだいぶ距離を残して夜になってしまい、芥川龍之介トロッコ状態!暗闇をびくびくしながらもぶっとばす。!
夜8時、へとへとでヨセミテバレーに到着すると、キャンプ場がフル・・・
どうしようもない状況を見兼ねた管理人が自分のサイトの影にこっそり泊めてくれ、次の日起きてみると・・・

これ!! コーヒー片手にぶらぶら、キャンプ場から出たらこの壁!
なんじゃごりゃー! と優作ばりに叫んでしばし立ち尽くす。
このヨセミテバレー、日本にもある大地を川が浸食してできた渓谷のでっかい版ってとこやけど、ここのすごいところは、その1000m以上ある渓谷の底まで下る道路を作り、そこにキャンプ場や商店など観光用の村ができ上がってるわけです。
上から「深いなー」と見下ろすだけじゃなく、下まで下りて「高いなー」と見上げれるんですね。
ほほー。と岩に納得し、そそっとテントに戻る。
そしてまずした事は、

お財布づくり。
せんならんことは山のようにあるわけです!
キャンプ場の正面に広がるさっきの岩。
1000mの渓谷にはおもしろい形の岩がところどころ飛び出てて、無数に広がるハイキングロード。サイクリングロード。渓谷を作り出した川は、深い森を道連れにグネグネダラダラ流れ、魚もたっぷりいそう。自転車は泥まみれ、パンク有り。身体は2日続きの1000m峠でちょっと臭い。筋肉痛も。写真を現像して作っておいた絵葉書の束。
2日間何からしよーと考え込み、とりあえずハイキングに行くことに!
ヨセミテバレー中心地のすぐ後ろに流れ落ちる、段々になったふたつの滝。
崖の上まで登ってそれを真上から眺めれるハイキングロードらしいけど、、

どこ登るんですか??
どれだけ眺めても登山道なんて見えまへん。もしかして登山ではなくてロッククライミング?? 不安もありつつとりあえずスタート!

なるほど、、
崖崩れが起こったのを利用して、くずれた岩を並べて道っぽくなってる。
といってもやっぱり断崖絶壁で、延々と九十九折がつづく。
大小の岩と、岩から削れたサラサラの砂で歩きにくいし、何より標高を稼ぐために角度が急!

息は上がりっぱなしやけど、登りだしてすぐに森よりも高いとこ出て視界がいっきに開ける!

2時間くらい登りてっぺんがすぐそこに見え出した頃、こんなところで作業してる人が。
崖崩れしたところを補修し、その上にまた道を作っていて、充電ドリルで大岩に穴を開け、2mのハンマーで石を叩き割る。 ワイヤーを他の岩に引っ掛けてジャッキでひっぱり、切り出した岩を並べて登山道を作る。
その重労働を絶壁で!!
話してみると公園の作業員で、特に給料が良い訳でもなく、そのくせアクシデントの発生率はもう・・。
ってなハードな仕事やけど、最後に、
「でもすんげー楽しいよ」
「いろんな人に自然の良さを知ってもらいたいからね」って。
登り始めて3時間、崖の上に出る。

アメリカじゃ柵なんてありまへん!!
ちなみにこの写真は人に頼んだんやけど、崖から下が写ってなくてただ岩の上で立ってる俺ってな具合やったから、崖だけの写真と合成してます。
登山道から外れ、滝の真上に出るための崖っぷちの危険な道を行く。この頃から天気が急に崩れはじめる・・。
標高が100m毎に気温は0.6℃下がるので、ただでさえ下から比べると6℃寒い。
そこに風が荒れ、ヒョウが降り、、、 とにかく急ごう!

崖の上を流れる川からどどどーと流れ落ちる滝。ガクブル!

さっきまで空が曇り始めたくらいやったのに、写真撮ってる間に風が出て、谷底から竜のような霧が上がってきた!
ししししまった!!
登山道に戻る為のアレ、忘れてた・・

このダンガイっぷり!
ここをびくびくしながら進んでるときに突風が真下から吹き上げてきて、、、滝の水が空へと大逆流!!
そんでもって突風の終わりと共に舞い上がった水は重力のままに落ちてくるわけで、、、
だれか下で魯山昇竜波打ったんやろなー、とか、ずぶ濡れガクブルで考えてました。
目的地、ヨセミテバレーを一望できるはずのヨセミテポイントにつく頃には猛吹雪!猛吹ヒョウ!! 景色なんてなんも見えまへん!
リアルに遭難の危険が出てきて、1時間、木の下で震えながら天気の回復を待つが、下がり続ける気圧。
非常用の食料はあったけど、カッパがなし、すでにびしょ濡れ、極寒、霧で視界ゼロ!
ゆえに、死の恐怖!!
しょうがない、下山しよう、、、

ちょっと標高を下げるとヒョウは雨に変わり、地面もぼくも、とっても危険な状態。
一刻も早く帰りたかったので、ひらりひらりと天狗のように岩から岩へと舞い下っていると、足を滑らせスネ強打、手のひら出血。
もう半泣。
通常往復6~8時間のところ、3時間半くらいで往復。
次の日はもちのろん、大筋肉痛大会!!
現代日本の秘蔵っこは人と比べて筋肉がありません。
1回筋肉痛になると、どんな小さなものでも一週間は続きます。
歩けない、くしゃみできない、靴下はけない、こりゃどう考えても最低1週間コース。

リハビリとして、キャンプ場周辺の散策へ。 そこらじゅう日常的にこの風景。

ここでの結婚式はおじいちゃんおばあちゃんの若い頃の憧れだったそう。
さぁそそて、2日たってもまったく治る気配を見せないテリブルな筋肉痛・・。
完治するのを待っていたらいつまでたってもここから離れられないので、満身創痍の中、こないだ登った滝の反対側の絶壁、Glacier Pointへと登山。
このGlacier Pointhaヨセミテ国立公園で最も人が訪れる場所で、滝の上より高い1300mながら、道が整備されてて楽。
途中でおなかの調子が悪くなりだし、ティッシュを忘れてきてるにも関わらず藪の中に消えること3回。あわやの大惨事!
げっそりして頂上にたどり着く。

ヨセミテバレーの全貌を見渡せるGlacier Point!
越えてきたTioga Passはこないだの荒天で雪を被っていて、後から得た情報によると、雪が深く、今シーズンはもう道が閉ざされたらしい。
そしてこれから行くヨセミテ南側は、はるか先まで山脈が続く。見たくなかった(笑)

この絶景ポイントの崖っぷち、一心不乱に鼻くそをほじる中国人男性。死と隣り合わせの緊張感が良いのか!?

鼻くその人に撮ってもらった。
登山は上りより下りのほうがしんどい。とはよく言ったもので、帰りの下りはお尻の筋肉痛にビシバシくる!!
うひぃ!とか、あひぃ!とか叫びつつ登りより下りのほうが1.5倍時間がかかるというマジック!
天気良いのにビバークせなあかんかと思った。

さぁそして、ぼくがこのヨセミテバレーで10日間ほど滞在したキャンプ場、Camp4。
他のキャンプ場は一泊20ドルというボーリングなプライス!でもここだけ5ドル。
ひとつのキャンプサイトに4つのテントを押し込んで、数100のテントに対しトイレは一箇所のみ。
というのも、このヨセミテバレーの1000mの崖を見て、観光客より喜ぶあの人たちが集まってるんです!!

この崖に・・・

おんねん!

ひとが!!
この崖に噛り付くために世界中からロッククライマーがやってきて、このCamp4には常に数100人滞在し、昼は崖登り、夜はバカ騒ぎ。
バカ騒ぎしてる姿はただの若者やけど、こんな風に崖を登ってるとこを見ると尊敬しちゃいます。
さぁ、気づけば10日間も滞在したヨセミテバレー。
朝起きて絶壁を眺め、その大きさにため息ついて、夜中、トイレに起きてまたため息。
夜は電気が消えるので崖と崖の間から星もキレイ。。
最高の景色をたっぷり堪能できたし、そろそろ移動しますか。
Camp4から出ると、ヨセミテ渓谷を一望する写真撮影ポイントがある。
隣の写真家風お父さんに写真を頼む。
ほんま、、人に写真を頼んどいて文句を言うのは礼儀知らずやとも思うけど、今回だけ言わしてくれ!
ヨセミテバレーを見渡せる場所で、

なんでこうなんねん!!
こんな斬新な構図、今まで撮ったやつおらんわ!!
ここでの写真はしっかり残しときたいから、自転車だけ置いて写真を撮って、こんな風に川、両側の崖、自転車、ぼくが入った写真をお願いします。と、丁重に頼む。
すると、、、

マシにはなったけど、、、
このおっちゃん、ごっつい三脚にNikonのD3か何か、かなりいいやつ乗っけてたはず。
やのにこんな写真しか撮られへんとしたら宝の持ち腐れもいいとこ。 もっと安い機種から始めるべきだ!
とりあえず物を一通り揃えたがるのはアメリカ人の性質。庭でほこり被ったボートや自転車をよく見ます。
3度目頼むのはちょっと言い出しづらいし、頼んだところで、、なので、おっちゃんが帰るのを1時間待ち、自分で三脚だして撮りなおします。

これですよ!これ! ちょっと顔暗かったりするけど、まぁこんなもんでしょう。
この基本的な日の丸構図。分かんないかなー? 以上、礼儀知らずの文句でした。
んじゃまた今夜、次の日記をあげちゃうから要チェキだ!
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| 2 U.S.A | 06:12 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑
めっちゃ、こわいなー。崖!!
写真で凄さが伝わるって事はその100倍は恐いかと。
に、しても一心不乱に鼻くそほじる人には笑けた。よくほじれるねwww
よっちゃんのカメラも鼻くそだらけwww
| NAO | 2009/11/07 11:40 | URL |