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現代日本の秘蔵っこ、磯田よしゆきの自転車世界一周旅行

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ギニアビサウ旅後半 ~バイク修理と悪路国境突入編~




現在タンザニア。
アフリカ最高峰キリマンジェロふもとの町を目指して標高上げてってます。

タンデムで上りはキツイよー!



さてさてブログは5月のオハナシ。

西アフリカバイク旅2か国目、ギニアビサウで離島に渡っての釣り生活が前エントリー。


z (1)
とりあえず釣るものは釣ったし、本土に戻ってバイク旅再開だよーん!



z (2)
ギニアビサウは世界最貧国だらけの西アフリカの中でも特別貧しいと感じた国。

この国には先進国からの援助・協力があまり入ってないのか、国道もあまり程度が良くない。

というかそもそもこの国には電気・水道がほとんどない。
首都のビサウですら電気は夜間の数時間のみで、発電機を持っているのは一部のお金持ちや外国人向けの商売をしてるとこくらい。
インターネットを見かけたのは外国人向けのゲストハウスでの一度だけ。
回線が引かれているわけではなく、携帯の電波を使った3G回線なので激遅。

だからと言って人々が不幸なわけでは決してない。
太陽とともに起き、井戸へ水を汲みに行き、日中木陰でだらだらおしゃべりしているうちに日が暮れていく生活に不幸せ感はみじんも見えない。



z (3)
マンゴー最盛期で、棒を使ってマンゴーを採る姿をよく見かけた。
とったマンゴーを道端に並べて売るひとたちもいるけど、その辺に実りまくってるので誰も買わない(笑)



z (4)
甘~い香り漂うカシューナッツ林でキャンプ。



z (5)
この国はどこも蟻塚だらけ。
アリにテントを食い破られそうで警戒してたけど、何も起こらず。

蟻塚よりもほんとに危ないのは、地面のアリの巣の上にテントを張ること。
朝起きるとテントが穴だらけで枕元のお菓子に行列ができてたりする。



z (6)
首都のビサウから走りだしたものの、バイクの調子が良くない。

エンジン冷却水(ラジエタークーラント)があちこちから吹き出してくる。
塞いでも塞いでも場所を変え吹き出し、冷却水が減るとオーバーヒートしてしまう。
もしオーバーヒートしてエンジンが焼き付いてしまうと、さすがにもう次はない。

なのでオーバーヒートしてしまう前に減った分の水を補給するわけやけど、
吹き出して減った分だけの水(常温)を補給しても、エンジンは100℃以上に熱されているのでラジエター内は80℃あたりに落ち着いてしまう。

そんな状態で走り出すとものの数分で100℃を越え、ラジエター内でゴボゴボと沸騰する。
気化した空気の圧力でいろいろなとこから熱水が漏れ出し、あっという間に冷却水がなくなってしまう。
エンジンが常温に冷めるのを待ってもみたけど、気温45℃の中では1時間待ってもほぼ変化なし。
リザーバータンクのキャップが爆発的に吹っとんで、全身で熱湯を浴びたことも・・。
水をチョロチョロとエンジンにかけて冷やしていくにしても、8リットルの水が1時間で尽きてしまう。


1日のほとんどをバイク走行ではなくメンテナンスに割いているような旅路が続く・・・



z (7)
ギニアビサウは個人的に西アフリカで一番好きなくらいもっと長く旅していたかったけど、このバイクの状態では旅を続けることができない。
隣国ギニアの首都コナクリは大都市らしいので、最短距離でコナクリに向かってバイクを修理することに。

どこにも立ち寄らずギニアビサウとギニアとの国境手前最後の町、ケボまでやってきた。



z (8)
この先の国境越えはかなりの悪路らしい。現地人もそのバイク(スクータ)じゃ無理だよと言う。

何にしても未舗装地帯で水の補給もできなさそう。
村のメカニックに持ち込んで水漏れの原因を探ってもらう。



z (9)
そもそも一番最初に水が漏れだしたのはこの、冷却水を循環させるウォーターポンプの周囲。

エンジン左側に水の満たされたポンプ部(ぺラ)があり、
シャフトでつながった動力を受けるためのギヤはエンジンの右側にあって、こちらは水があってはならない場所。
このエンジン左右を区切る部分で水をシールするパーツにダメージがあるのか、ここから漏れていた模様。

後々ネットで調べるとウォーターポンプメカニカルシールと呼ばれる部品で、
構成部品はバネやゴムでシンプルに見えるものの、素晴らしくよく考えられた機構。

ダメージの原因はシャフトを安定させるベアリングが大破し、暴れ回ったシャフトがシールに隙間を作り、そこから水が漏れていたよう。

奇跡的にぴったりサイズのベアリングを手に入れることができ、さっそく組み付ける。

エンジン部品を組み付けすべて元通り、冷却水も補充しさぁエンジンスタート!


ブルルン!


ブオンブオン!(ポタリ・・)


ブオォーン!(ドバドバー!!)



ぜんぜん直ってねぇ・・・

いったい他に何が悪いんだ。とりあえず休憩しながら考えよう。



z (10)
こちらで一服と言えばアテェ。
グラグラ煮だした濃ーいお茶に大量の砂糖をぶち込む。



z (11)
このメカニックもやっぱり徒弟制度。
左の2人は無給で働く若者たちのリーダー格で、右の彼は少し英語を話した。
彼は離れた町まタンクを担いでガソリンを買いに行き、スタンドのないこの村で1割上乗せして販売していた。

どんな小さな村でも交通手段としてのバイクは主役で、ガソリンの需要は高い。
しかしガソリンスタンドは大きな町にしかなく、ガソリンを補充しに行くためにガソリンを消費するという無駄が発生してしまう。
この商売は考え付きさえすれば少しの手間で元手も少なくかつ誰でも確実(着実)に稼ぐことのできるいい商売。
英語も話すしいいアイデアを持ってる。やるなぁ~。

彼は身なりも良く、他の人と比べてワンランク上の生活を送っているように見えた。
しかし掘り下げて話を聞いてみると、彼も他の子と同じように地元のジュニアスクールを卒業しただけの低学歴らしい。
英語を話し、自分のアイデアでお金を稼ぐ彼・・。

この時ふとひらめいた。
アフリカ人で英語を話す人にはもれなく落ち着きがあり、照れや謙虚さといった性質を持ち合わせていることが多い。
この彼もそうで、みんなと盛り上がるときは一緒になって騒ぐけど、他とは一線を画すような落ち着きがあった。
そこには何か関係性があるように思えた。

この国にも義務教育があり、みな英語の授業を4年にわたって受けるらしい。
しかし与えられる教育の中にいるだけのほとんどの人は全く英語を話すことができない。
そんな中で英語を話すことができる人というは、義務教育の中でしっかり勉強をしていた結果だろう。
これは日本人にも同じことが言えるはずだし、英語だけにこだわったことでもない。

すこし話は飛躍して、差別的に聞こえるかもしれないけど、
この大陸の人間は『考える』という行為ができない。
すべての行動はその時の感情・本能のままになされる。
ひと呼吸おく。持ち帰って考える。悩む。こういった行為は人間が生まれた時から持ち合わせたものでもなければ、
成長の過程で自動的に身につけるようなものではないというのがここに来ると目で見て肌で感じることができる。


勉強は『考える』という行為を与え、それは複雑な感情や多様な考えを持たらす。

彼が英語を話す事、この商売を思いついた事、他人よりお金を持っている事。

すべては結果であり、必然的に結びついている。
この最初の一歩である勉強≒教育って、人間にとって本当に大事なことだと気付かされた。


 ※ぜんぶ主観だよー!!そんでもってアフリカ大好きだよー!
  あと、英語を話すうんぬんは、都会の英語を商売に使ってる人とかは抜きね。ほんとのローカルの人の話です。



z (12)
すげー熱くなってもうたけど、こういう時はタバコで一服。

西アフリカで最安のSirは日本円で40円ほどで味は悪くない。
となりのBRUSS&SONSは100円くらいするのに工場みたいな味がしてマズイ。



z (13)
前回の故障のとき同様、現地人の修理作業は見ていられないくらい雑。
知識も現地を走っているバイクに限られていて、見たことのない機構を考えて理解するということができない。

なので作業はぼくがするのでお手伝いをお願い。というスタンスで持ち込んだにもかかわらず、
なかなか解決できない水漏れ問題にボスが熱くなってしまい、作業に割って入りだした。

あっという間に作業はほとんど奪われる。

しかし大事な部品をペンチで掴んで力ずくで引っこ抜いたり、入らなかったらヤスリでゴリゴリ削ったり。
ほんと場当たり的で考えもなく無茶苦茶な事をするので付きっきりで作業を見張って止めに入らなければいけない。

水漏れの対策をし、他の部品を組み付けエンジンをかける。水が漏れる。
またバイクをバラシて違う対策を考える。組み付ける。水は漏れる。
1セット1時間くらいかかるのを日暮れまで繰り返しても修理ならず・・。

明日も場所を借りにきてもいい?とボスに聞くと、

「今のままでも水をつぎ足しながら行けばいいんだ。問題なく走るだろ。
 ここは明日は休みだ。あさっても休みだ!」
と、自分が修理できないことを棚上げしてやっかい事を追っ払おうとしてきた。明日が休みとか絶対ウソやし。

「ボスが手伝う必要はないし工具を使わせてもらいたいだけやから!」
と交渉し、明日も作業させてもらうことに。



z (14)
DAY,2

この日もボスが付きっ切りで作業。
ウォーターポンプメカニカルシールの機構というか部品の意味を全く理解していない。
水漏れを塞ぐシリコンを流し込んでは組み付け→水漏れ、を繰り返す。

ぼくが目を離したすきにメカニカルシール自体をガリガリこじって壊してしまった・・。
ただでさえこの国では見ることすらないスクーター型のバイクやというのに、
さらに絶対に入手不可能なつぶしの利かない特殊部品。

「いったいどうしてくれんじゃこのクソ野郎!!」と怒るも、まったく意にも介さない。

ボロボロの穴だらけになったゴム、砕けたプラスチック部品を持ち途方に暮れる・・。



z (15,)
代用部品はないかとその辺に打ち捨てられた残骸を漁る。

きっとこの3輪もボスの手荒い作業で取り返しのつかないことになったんやろうなぁ・・・



z (16)
気分転換にブラブラ。
井戸の水汲みでうんしょうんしょと重いハンドルを回していたお母さんを手伝う。

次から次へと近所のお母さん連中が集まってきて、ギブするまで水を汲むハメに。



z (17)
水汲みのお礼にマンゴーを採って分けてくれた。



z (18)
メカニックはちょっとしたたまり場。
愛車を持ち寄り木陰でおしゃべりを楽しんでブロロロ~と帰っていく。



z (19)
作業は丸々3日間に及んだ。

ボスに壊されたメカニカルシールの代替えになる部品を自転車のチューブとジュースのキャップなどから削り出して作成。

それでもむしろバイクを持ち込んだ時より水漏れが悪化してるんですが・・・

でもこんなとこにおっても次から次へと他の部品を壊されるだけ。
お隣の首都コナクリにいけばまともなバイクメカニックがいるはず。
さっさと出発しよう。



z (20)
そして始まる地獄の国境越えルートは、いきなりジャングルの中に突っ込む悪路。



z (21)
ゾウ?バッファロー??

もうヤケクソだ! かかってこんかーい!!





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