シエラレオネ・フリータウン。キャンプとエボラと内戦と。~難民オールスターズ編~
ヨーソローフレンズ!
11月末に穴に落ちたケガもほぼほぼ回復し、3週間とちょっとぶりに自転車旅を再開しました。
見どころ目白押しのザンビア→ボツワナを走行しつつ、12月24日にいつものNHK「地球ラジオ」に出演しつつ、
2017年元旦にもまたまた「地球ラジオ」に出演します。そんなに話すネタはあるか!?
とりあえずクリスマスの回はタンザニアでの盗難被害&ザンビアでの怪我について。
なんだか暗い話題ばっかりですが、おヒマなら聞いてみてね?
「地球ラジオ」のHP上で放送から一週間の間聞くこともできます。
さーて滞りまくってる旅ブログですが、
スクーターを購入しての西アフリカ周遊旅行。
壊れまくるバイク!ワイロ要求の嵐!そして恋・・・ ヒアウィーゴー!!

えーっとたしかシエラレオネのお話。
ギニアの首都コナクリでバイク故障の大本の部品を奇跡的にゲットし、交換。
しかしまだまだ直らないバイク。
いっそのこと、耳垢ほども理解できないフランス語圏から英語の通じる隣国シエラレオネまで行ってしまって、
快適に滞在しつつバイク修理生活を送ろうと計画。
順調にシエラレオネに入国し、首都フリータウンが見えてきた。
しかし目指す中心地の手前10km、市場のど真ん中でバイクが停止!そして訪れる日暮れ、暗闇・・。
故障の原因はぼくの凡ミス。
バイクの電力を発電するオルタネータの配線をひとつ忘れていた。
おかげでバッテリーがすっからかんになってエンジン掛からず。
バッテリーを充電してくれる店を見つけ、バイクを預けることもでき、この日は町のホテルへ。
翌朝戻ってバイク修理。
しかし充電されたはずのバッテリーを装着してもかからないエンジン。
しょうがないので近くのバイク屋に持ち込みバラシ。
バイクの電源は入る。
セルボタンを押すとカチッという音。リレーは作動しているよう。
セルモーターが周らないのでオープンしてみる。
モーターを裸にし接続させてみるとセルモーターは回る。
周辺のパーツを見てみても不具合はなさそう。
うーん、よく分からん。とりあえずもっかい組んでみよう→エンジンかかる!!
いったいどこが悪かったのかはまったく分かってないけどとりあえずOK。
フリータウンの宿探しにGOだ!!
テンキューボーイズ!元気でなー!

シエラレオネのポジションはこんな感じ。
ちなみにシエラレオネは旧イギリス植民地で公用語は英語。
とはいえ普段人々は現地民族ごとの言語で話す。
英語を話せる人はしっかり教育を受けた人で、首都以外の小村ではそこまで多くない印象。

木の感じ。
フリータウンは大西洋・ギニア湾に突き出た半島の北側の町。
冷却水が漏れエンジンがオーバーヒートしちゃうぼくのバイクで、
大渋滞のフリータウン中心地に向かっていくのは自殺行為。
いろいろ調べてみると半島の反対側にキャンプ場がある。
ホテルより安いやろうし長期で泊まるならそっちがいいやと向かってみる。

しかしこのGrafton Scout Camp。一般向けにはオープンしていないとの事。
残念やけど他を当たるかー。と思いつつマネージャーのジョンと話していると、
ここはスカウトキャンプ。つまりボーイスカウト対象のキャンプ場らしい。
去年、日本でジャンボリー(世界中のスカウトが集まるイベント)があったらしいけど、
シエラレオネはその頃エボラ出血熱が蔓延していてスカウトも海外に出ることができず、
日本でのジャンボリーに参加することができなかったらしい。
ついでに、ぼくも大学の頃青少年をアウトドアに連れ出す活動をしていたよと話すと意気投合。
特別に泊めてもらえることに!

さっそくテントを張ろうとしていると雨が・・・
雨季が始まっていてこれからは毎日雨が降るだろうってことで、スカウトの引率者用の小屋を使わせてくれた。
ゆるやかな山の斜面に広がるキャンプはかなり広い。
宿泊棟から子供たちの声が聞こえてくるのであいさつがてら向かってみる。
すると小学生低学年から赤ちゃんまで幅広い年代のキャンパーたちがいて、めずらしい中国人の来客にキョトンとしてた。
それにしても赤ちゃんのスカウトって?と思いジョンに尋ねてみると、
現在ここにいる子どもたちはスカウトではなく、先のエボラ大流行で両親を失った孤児たちらしい。その数30人!!
その費用は国やスカウト協会から出るにしても、30人の子供たちを面倒見るってとんでもなく大変な事。
ジョン曰く、
「彼らが彼ら自身の力で生きていくことはこの国では不可能なことではないんだ。
しかし、彼らが盗むことなく、物を乞うことなく生きていくために僕たちには出来ることがある」
このキャンプ場はジョンと家族だけで経営されている。
ある日を境に30人の親になるなんてこれから先いったいどれだけの苦労が・・・
ジョンの素晴らしい人がらに一瞬で恋に落ちてしまった。
滞在中は毎晩、月明かりの森の中ふたりで話した。
お互いの国の子供たちについて。大きな厄災に見舞われたこの国の未来。
ふたたび立ち上がろうと活気のあるこの国の中で、背負った十字架を大きな力に変えていくことが彼にはできる。

さてフリータウンの町歩き!
この町のシンボル、大きな木。
いいですよシンプルで(笑)

イギリス植民地時代の建物もたくさん残ってます。

通貨はレオン。
1ドル=5500レオン
物価は他の西アフリカ諸国と変わらず、安食堂での一食が100円~150円くらい。
しかし旧フランス領ではないのでバゲット(フランスパン)はなくなり日本と同じような食パンに。あんまりおいしくない。

市場はかなり活気があって、人の海の中に車とリヤカーが突っ込んでくるカオス。

露店の店主は女性オンリー。
携帯いじったりごろーんと寝てたりしてるけど、働かない男たちに代わって良く働いてます。

中学生ヤンキーが好きそうなお店。

調子の悪いバイクの部品を探してこの町でもクズパーツ屋を回る。
やっぱりスクーターはこの国にもないらしい。何にも手に入らないね~
他にも歪んだエンジンの加工をしてくれる工房を探したけど、この国も路上修理が基本らしく、
英語は伝わるもののあんまし他の国と変わんねーなー

この日の買い物で手に入れたもの。
ライオンがどどーんと派手なシエラレオネ代表ユニ。かっちょE-!!
右上は買い忘れてたギニア(コナクリ)代表ユニ。
他にはバイク用の部品少々と蚊取り線香(これまでと同じメーカーの物やけど英語表記になった)、
缶詰、Tシャツ。
そして最後に長々ともうひとつ。
ここシエラレオネは西アフリカ旅でいちばん楽しみにしていた国。
というのも、10年くらい前にリゾバで苗場の某ホテルで働いていた時、
フジロック期間に入るとぼくの働いていたバーレストランはアーティスト用になり、
少しだけ英語が話せ、酒を作ることができたぼくはカウンターの中に立っていた。
外に食べに行くことができない有名人たちは、あますことなくぼくの働くレストランにやってきては豪遊する。
期間中、アーティストには1食1500円分の食券が1日につき3枚支給されているらしかったけど、
そんなものを使う人は少なく、次々やってくるアーティストどうしテーブルをくっつけ盛大に飲み食いする。
(売れたばっかりでまだ貧乏だったフランツフェルディナンドは飲み食いした伝票をソニックユースのテーブルにこっそり置いてたw)
そんなところに一人の黒人さんがぼくのところにやってきた。
肌が漆黒に黒く、アメリカとかの移民ではなくアフリカ系の黒人だと一目でわかった。
理解しづらいなまった(?)英語で何度も聞きなおしてみると、
「この券で食べれる中でどの料理がいちばん量が多い?」
セレブしかいないこのレストランでまさかの問いに言葉を失ってしまった。
アーティストとして海外から日本に招待されているはずの人が、
食べ物の量を気にして注文するなんてことは理解できなかった。貧乏人じゃないんだから。
1500円で収まりいちばん量の多いロコモコ丼を頼むことにした彼。
「飲み物はどうされますか?」とは聞けなかった。
馴染みのシェフ(見習い)に超大盛りでおねがい!とオーダーを通し、
配されたロコモコ丼を鼻息荒く書き込む黒人の彼。
食べ終わってコップの水で一息つき会話が始まった。
やはり彼もアーティストで、ぼくの知らない国シエラレオネから来たらしい。
彼のなまりの強い英語とぼくのつたない英語ではほとんど会話にならなかったけど、
ぼくがロコモコ丼を大盛で注文したことに気付いていたらしい彼が感謝の言葉を述べた後、
「もしシエラレオネに来ることがあったらオレたちを訪ねてくれ。誰でも知ってるから」
彼のバンド「Refugees All Star of Sierra Lenone」とジェフという彼の名前だけを覚えていたものの、
フジロック期間中彼らについて調べることはなかった。
※Refugees=難民の意味
後々調べてみた「Refugees All Star of Sierra Lenone」はまたこれすごい経緯のバンドだった。

1991年から2002年まで続いたシエラレオネ内戦。
ディカプリオ主演の「ブラッド・ダイヤモンド」は素晴らしく臨場感のあるこの戦争での話。
反政府勢力に制圧された首都から逃れ、国を捨て、難民となった50万人の人々。
その難民キャンプの中で、人々を元気づけようとたちあがった同じ境遇の8人。
彼らは海外NGOの残した古ギターひとつに、空き缶に革を貼ったドラム、歌声という質素な装備で難民キャンプを周り、
レゲエと西アフリカの土着音楽をミックスした陽気なサウンドは人々を躍らせ、勇気づけた。
その模様は映画にもなってるので気になる人はブラッド・ダイヤモンドも一緒にチェキってみてね。
バンド名とジェフという手がかりだけでなんとなく会えるような気がしてやってきた。
しかし、現在も精力的に海外を周って活動している彼らはちょうどヨーロッパツアー中で、残念ながら今回彼らに会うことはできなかった。
わずか10数年前に終結した内戦、エボラ出血熱の大流行を乗り越えたシエラレオネ。
キャンプ場のジェフと言い、Refugee allstars of Sierra Leoneと言い、
厚いホスピタリティと強い信念、行動力を持った人々が生まれる活気あるこの国。
シエラレオネの未来は明るい。
そう祈るように確信したフリータウンでの日々だった。
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| 52 SIERRA LEONE-GUINEA | 01:21 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
メリークリスマス
ちょいと遅くなりましたが、地球ラジオを拝聴いたしました。
本年もたくましいタラちゃんに励まされてやってこれました。ありがとうございます。来年も元気で旅を続けてください。ではでは、
| まつだ えいじ | 2016/12/27 20:36 | URL |