愛すべきムニョムニョ達とベッカムへの憧れ
ゲレネグは海の町で、近くの湾にはクジラが集まり、世界遺産で保護されている、バハカリフォルニア半島でも指折りの観光の町。人口2000人程度。
ここまで来たらクジラ見に行かなきゃモグリでしょ!とホエールツアーを聞いて廻ったものの、クジラの廻ってくる時期と微妙にズレてて、ツアーが解禁になるのがこの一週間後というジレンマ・・。

バハカリフォルニア半島ではメイン通りだけが舗装されててそれ以外はダートの町がほとんど。
砂漠にサボテンの景色のバハ中部、ゲレネグでは、ダートではなく砂漠のような細かい砂の道。
砂が舗装路にも押し寄せていて、まるで町全体が砂に埋もれているよう。

道端に車がひっくり返ってたり、

電波等にとまっている鳥がハトやカラスではなく、ハゲタカだったりする。 まるで世紀末のよう。
と言っても特に治安が悪いわけでもなく、メキシコ政府・三菱(商事?)合同出資の世界最大の塩田&工場があったり、良い賑わいのある町。

さて今回の日記、このGerrero Negroでの主役はこの人、マニュエル=ムニョス!
数日前に道端で出会ったホセというポルトガル人の旅人に、ゲレネグに着いたらマニュエルの働いてるホテルを訪ねてみな。きっと良いことあるぜ! と、ロープレ並みのアバウトな情報を頂く。
紹介してもらったしとりあえず行くかーと尋ねてみると、親戚の宿を紹介してくれ(高くて泊まれなかった)、夜にはビールを持ってぼくらのホテルまで遊びに来てくれた。
次の日、マニュエルの仕事が休みで、ちょっと離れた村の親戚の家に遊びに来いと誘われ、ホイホイ付いていくと、その村はマニュエルの親戚ばっかりで、石を投げればムニョスに当たる。といった状況。
砂漠の中で大規模ハウス農園を経営してる弟の豪邸に通され、台所の棚を作るから。と、マニュエルに放ったらかしにされる。
豪邸の見学を終えるとすることも無くなり、昼寝 → 野球 → ちびっこ達とサッカーに発展。 はい、はしょってます(笑)

サッカーの敵チーム、スタンバイミーズ。
メキシコ人ちびっ子3~10才くらいまで10人くらいに対し、自転車バカの日本人3人組という余裕を見せていたものの、試合開始の笛と共に吹っ飛ぶ足の爪! 一度のオーバーラップで呼吸困難に陥る自転車バカ3人!
結果はまぁ・・
サッカーが終わって家へ戻るといっぱい人が集まってて、パーティーの準備が!

ママが作ってるたタコスの生地、トルティーヤ作りを手伝う。
というのはウソで(笑)
やらしてやらしてー!とかぶりついたものの、びりびりのトルティーヤが出来てしまい、敢え無く退散・・。

今日のメインディッシュはこれだー!

ぶぶぶ、ぶりー!!
サワラじゃねー!ハマチでもねー! こりゃブリだー!!
こんなのを2匹、腹わた抜いたらBBQグリルの上にボン! なんて男らしい・・・
このブリの他にも金目鯛っぽい魚が数十匹。こちらは小麦粉つけて天ぷら鍋にドボン!
この魚たちは焼き魚として頂くわけではなく、やっぱりタコスにイン。

マニュエルと同じ顔した兄弟たち(10人兄弟)や、その嫁、子供たち。総勢30人ほどでワイワイ。あ~石投げたい(笑)

話はやっぱり旅の話に。みんな自転車でカナダやアラスカから来たことに半信半疑。
旅行計画書の地図を見せるとこの人だかり。

昼3時から始まったパーティーは夕食時を越え、夜10時ごろまで続いた。
ちらほら散開し始める中、うれしそうにカラオケマシーンを持ってきた少年。 しかし、誰も歌わないので自分で歌う。
小声でぼそぼそ歌う彼を不憫に思ってか、横に付き添うデボやん。
1曲、2曲、、と延々と続くカラオケ最前線は、常人には分け入ることを許されないサンクチュアリであった。

パーティーが終わって車に乗り込む間際、メキシコ名物テキーラを本場のスタイルでいただく。
右手にショットグラス、左手にはライム。乾杯の合図でキュッとあおってライムをガブリ。
アルコール度数の割りには喉の奥がかぁ~と熱くなる感じはなく、レモンの風味で爽やかに喉を通っていく。
ちなみにこれは100年モノ。
テキーラウンチクをどうぞ、
龍舌蘭というメキシコ原産の植物から作られる蒸留酒で、産地のテキーラ地方で作られた物しかテキーラ(Tequila)の名前をつけることが出来ないよう法律で定められていて、テキーラにある古いテキーラ醸造所郡は世界遺産に指定されている。
自転車で走ってると、TequilaではなくTaquilaやTaqeilaなど、スペルの違う看板をよく見る。酒屋に行ってテキーラくれと頼むと、Tequilaの文字のないお酒が出てくる。値段は激安。
要するにテキーラの名前をつけれない他産地のものを、スペルを変え、似てるけど別の物として売っているわけです。堂々と(笑)
ちなみに、そのテキーラ地方を2~3週間後に通ります。楽しみすぎる!!

そんでもってついに日記が二冊目に突入。

ノートのメーカはメキシコ文具大手、Estorella!
そして、旅の醍醐味、そして恐怖でもある、、 散髪に行ってきた!
町全体が停電して、宿でする事もなくなったので散髪屋に行ってみると、「今は電気がきてないから髪を切れない」とのこと。
ハサミでちょきちょきするだけやのに電気なんているのか? まぁ店の中が薄暗いから無理ってことかなーと、停電が回復するのを待って再度アタック。
手馴れた様子でナイロンの布をかける女主人。英語は話せないけど雰囲気で、「今日はどうするの?」と。
ヘアカタログを見せてもらったけど角刈りとか大五郎とかばっかりでまともなものはないので、とりあえず短く。とオーダー。
鏡越しに準備する女主人を見てると、取り出したハサミは子供のおもちゃみたいなハサミ!小学校のお道具箱に入ってるよなポップでファットなやつ! そしてスキバサミもこれまたチープ。
この時点で、自分の判断はかなり間違っていたと気付く。
この店の周りにはあと数軒の美容室があって、この店はその中でも一番汚くて、地元民に愛されてそうな感じ。 ・・なら技術はあるでしょ!? と飛び込んだものの、もっとお金出して良い所にいけばよかった・・。350円て、こっちの物価で考えても安いよね・・・
突如、後悔で真っ暗になっていた意識を引き裂くようなサウンドが響く! 頭のすぐ右後ろで唸りをあげ迫りくるバリカン!
オー!ノーノーノ!! なんとか迫り来る脅威を食い止め、ふたり分かり合うための時間を取る。
この状況下でのこの時間はかなり重要である。
髪は短くしたいけど、バリカンを使うほどではなく、そう、さっきの大五郎の前髪くらいの長さで全体で、、、いや、ちがうちがう!前だけ長くする必要はないんだって、、、
絶対言いたくなかった、でも、壁にサッカーのポスターが掛かってあったんだ・・・
なけなしの勇気を持って放った魔法の言葉
「ベッカム、プリーズ」

おもちゃみたいなハサミでばっさばっさ切られていく。 技術はともかく、度胸だけは抜群な様子。
10分ほどで切り終わる。この時点では悪くは無かった。ちょっと短かったけど。
完全に安心しきった心を震え上がらせる恐怖の旋律ふたたびー!!
またしても右後方から攻めてくるバリカン! ノン!ノン!ノン!と静止するも今回は静止を聞かず、頭を押さえつけてビィィーンとメスが入る・・。
どうやら襟足と飛び出た毛を切るためにバリカンを使ってるよう。騒ぎすぎたと反省。
飛び出た毛を刈り、襟足を整え、そうそう、耳元をざっくりと、、 ついでにもみあげを、、、
・・・!!!

ちーん

全体的にはこんな感じ。 この写真は100万枚くらい撮った内の奇跡の一枚。
ベトベトのジェルがないとかなりみっともない。
旅行も長期になると現地で髪を切らざるを得ない。一回散髪屋に行くと、次の二回は自分で切る。
半年に一回の罰ゲームイベント。それが海外散髪事情。

さぁ、傷心を癒しに冒険の旅を続けよう・・ 今日は朝焼けがキレイだ!
と思いきや、ハプニング発生。
ムニョスの家に遊びに行った次の日、2人が体調を崩した。 タカは風邪っぽくて、デボやんは腹痛と下痢。
次の日、だいぶ回復した2人。 その2人を尻目に、今度はぼくが体調を崩す・・。熱と頭痛と腹痛と関節痛。
そういやメキシコと言えば新型インフルの流行最前線だったような・・・
まぁそこまでひどくないから違うか。
次の日、だいぶ回復したけど、昼を過ぎたらまたタカが・・。
誰が言ったか、ウイルスのメリーゴーランドや~状態。 終わりなき風邪の輪廻。
やっとみんなの体調が戻ったGerrero Negro滞在5泊目の朝。あろうことか全員寝過ごして出発できないという惨事・・・
結局6泊し、次の目的地へ出発。
次の目的地はおどろくことに、ムニョスの村(笑)
村で昼ごはんをご馳走になり、南へと下っていく予定。
しかし、またしても道はそれにそれ・・・
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| 3 MEXICO | 08:53 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑
お久しぶりぃ~男前になったね(笑)
何かよく体調壊してるみたいやけど大丈夫かぁ~い?
| 虫 | 2009/12/20 21:20 | URL |